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2020年12月13日

第6回日本アライナー医療研究会(JAMS)、オンラインで開催

アライナー矯正歯科治療におけるリカバリーを中心に考える

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 さる12月13日(日)、日本アライナー医療研究会(槇 宏太郎代表)による第6回研究会が土岐泰弘氏(三重県開業)の司会進行のもとZoomウェビナーにてオンライン開催され、117名が参集した。

 日本アライナー医療研究会は、2015年に発足。一般臨床医や矯正専門医が自由に参加できる開かれた研究会で、術者・患者ともにユーザー数が増大しているアライナー矯正歯科治療を、簡単に歯列矯正が可能な手法として安易に用いるのではなく、いかにこれまで研究や実践が積み重ねられてきた矯正歯科治療の知見に根差し安全に行うことができるか、問題が生じたときにどのように解決すべきか、研究と臨床の垣根を超えて学んでいくことを目的に活動を続け、年1度の研究会を実施している。

 今回の研究会では、アライナー矯正歯科治療とリカバリーというテーマで発表が集められた。まず槇 宏太郎氏(昭和大教授、日本アライナー医療研究会発起人)が「新型コロナウイルス感染症流行というこの状況で、デジタル医療はますます伸びていくことになる。それにアライナー矯正という形でかかわるわれわれは、適切な治療と、どのように問題に対応するかということを知っていかねばならない。来年の日本矯正歯科学会でもデジタル矯正が取り上げられる。こうした時流のなかで、本会が質の高い発信をし続けられるであろうと思う」と開会の辞を述べた。

 その後、部分的に開咬になるなど治療途中に問題が生じたケース、患者のモチベーションが続かず改善しなかったケースなど国内外から7題の発表が行われ、各種アライナーの材質と辺縁形態のデザイン(トリミングライン)の比較や、歯の把持力という点からさまざまな考察がなされた。また患者のモチベーションが大きくかかわる治療であるために、ユーザビリティの観点も見過ごせず、治療計画にさまざまな因子がかかわる難しさとともに、リカバリーの方法について議論された。

 視聴者からは「リカバリーが必要かも、おかしいと思うきっかけは?」「アライナーのトリミングによって強度が落ちないか?」などといった質疑が活発に行われ、盛況のうちに閉会となった。