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2021年3月17日

クインテッセンス出版株式会社、第5回WEBINARを開催

「歯周病およびインプラント周囲組織の疾患と状態に関する新分類」をテーマに

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 さる3月17日(水)、村上伸也氏(阪大教授)によるWEBINAR #5「歯周病およびインプラント周囲組織の疾患と状態に関する新分類」(クインテッセンス出版株式会社主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演では、氏が監訳した同タイトルの書籍をベースに講演が進められた。

 まず、氏は「歯周病およびインプラント周囲組織の疾患と状態に関する新分類」について述べる前に、これまでの歯周病の分類における変遷について解説した。歯周病の分類は、1989年に米国歯周病学会(以下、AAP)が初めて定義し、1999年、そして直近では2017年に策定されている。それをふまえたうえで、1999年の旧分類と2017年の新分類との違いについて、新分類ではAAPとヨーロッパ歯周病連盟(以下、EFP)共催のワークショップで定義が見直されたこと、また1999年に定められた旧分類では、歯周炎を慢性歯周炎と侵襲性歯周炎の大きく2つに分けていたが、新分類ではこれらを1つの歯周炎として取りまとめ、新たにステージとグレードというフレームワークが導入されたことであると解説した。

 次に歯周炎症例の定義については、1)歯間部のクリニカルアタッチメントロス(以下、CAL)が隣接しない部位で2歯以上に認められる、2)頬側または口蓋側、舌側に3mm以上のCALをともなう3mm未満のポケットが2歯以上に認められることであると述べた。しかし、外傷由来の歯肉退縮、歯頚部に及ぶう蝕、第三大臼歯の位置異常、または抜歯による第二大臼歯の遠心面CAL、歯肉病変による歯肉辺縁部からの排膿、歯根破折などによるCALなどは例外であることも詳説した。

 最後に、本書は「総説」と「コンセンサスレポート」から構成されており、2017年のAAPとEFPにおけるワークショップ会議をまとめたものが「コンセンサスレポート」となるため、結論を早く求めたい人はまずはここを読んでいただき、さらに深く知りたい場合は「総論」を読んでいただくことで歯周病の分類への理解が深まると語った。

 なお第7回WEBINARは、 きたる4月21日(水)20時より、鈴木宏樹氏(福岡県勤務)を招聘し、「なぜ食べるにこだわる?? 高齢者義歯治療解説」をテーマに開催予定である。申し込みはこちらから。