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2021年11月23日

一般社団法人ACFF日本支部、2021メンバーズカンファレンスをWeb開催

「日本の生涯う蝕マネジメントを考える」をテーマに

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 さる11月23日(火)、 一般社団法人ACFF日本支部(林 美加子理事長)による2021メンバーズカンファレンスが「日本の生涯う蝕マネジメントを考える」をテーマにWeb開催された。
 
 ACFF(Alliance for a Cavity Free Future:う蝕のない未来への同盟)とは、「2026年以降に誕生する子どもたちに生涯をとおしてう窩を作らない」を地球規模でのゴールに設定している国際非営利組織。英国King’s College Londonを本拠地とし、カリオロジーの世界的リーダーであるDr. Nigel PittsがGlobal Chairmanとして統括している。日本支部は、林 美加子氏(阪大教授)が理事長を務め、花田信弘氏(鶴見大名誉教授)が副理事長、柘植紳平氏(岐阜県開業)が理事、そして桃井保子氏(鶴見大名教授)が監事となり2018年2月4日に発足。以来、さまざまな研究プロジェクトを推し進めている。

 当日はまず、花田氏による開会挨拶の後、柘植氏と桃井氏の司会のもと、林氏による講演「ICCMSを日本の歯学教育へ」が行われた。ACFF日本支部では現在、国際的なう蝕分類およびマネジメントシステムであるICCMS(International Caries Classification and Management System)を日本の臨床・教育に浸透させるべく、「e-ラーニング日本語版」の準備を進めていることを紹介。その内容について、ICCMSを構成する重要な要素である4Dシステム「Determine(個人のリスク判定)」「Detect(う蝕の検出と評価)」「Decide(個人に合わせた治療方針の決定)」「Do(適切な処置の実行)」とともに解説した。

 つづいて、角田衣理加氏(鶴見大)が「ICDAS~判定法と臨床への導入~」と題して講演。歯科医師国家試験に出題されたことから29の歯科大学が教育に取り入れはじめたICDAS(International Caries Detection and Assessment System)についてくわしく紹介。ICDASの検査プロセスの実際を、抜去歯を用いたデモンストレーション動画とともに解説した。

 最後に、山下喜久氏(九大教授)は「口腔細菌叢から考える生涯28」と題して講演。氏が日本口腔衛生学会理事長在職時に発表した「生涯28(ニイハチ)」の概要について紹介するとともに、口腔マイクロバイオームに関する最先端の研究について文献とともに解説した。

 その後、日本ヘルスケア歯科学会代表の杉山精一氏(千葉県開業)を交えて総合討論が行われた。WHOが発表した「Model List of Essential Medicines」(2021年版)の歯科用薬剤として、フッ化物、グラスアイオノマーセメント、フッ化ジアンミン銀の3つが掲載されたことなどが紹介されるなど、さまざまな議論が行われるとともに、今後も日本支部としてインタラクティブかつグローバルに活動を行っていきたいとまとめた。

 なお、本カンファレンスは、きたる12月3日(金)から28日(火)までの間、ACFF日本支部YouTubeチャンネルにて視聴可能(参加無料)。