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2021年11月24日

クインテッセンス出版株式会社、第16回WEBINARを開催

須貝昭弘氏が「ホームドクターによる小学校2年生までに始める拡大床治療」のテーマでWeb講演

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 さる11月24日(水)、須貝昭弘氏(神奈川県開業)によるWEBINAR #16「ホームドクターによる小学校2年生までに始める拡大床治療」(クインテッセンス出版株式会社主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、須貝氏の同タイトル書籍の内容をベースに行われた。

 まず、須貝氏は多数の症例写真を供覧しながら成長による歯列の変化の軌跡について、正常歯列の人と歯列不正を起こしている人で何歳の時点でどこが違うのか・何が原因なのかをわかりやすく解説。そこで、将来正常な歯列をもつには上下切歯交換期がもっとも大切な時期であると主張した。

 次に、上下切歯交換期に正常歯列にならない理由を詳説。(1)萌出の異常、(2)スペース不足、(3)口腔習癖の3つを挙げるとともに、日本人の不正咬合のいちばんの原因に叢生を挙げた。そのうえで歯列不正の治療として、歯列矯正と咬合育成それぞれの特徴を説明。その際、歯列矯正治療における早期抜歯については、長い人生の時間軸でみる大切さについてふれ、特にまだ判断能力の乏しい子どもの場合は保護者の判断に委ねられるため、安易な抜歯には懐疑的な見解を示した。

 その後は、拡大床治療について解説。拡大装置には可撤式と固定式の2種類があり、それぞれ症例を供覧しながら比較した。続いて、拡大床治療の適用範囲や装置の使い方・調整方法、基本的な治療の進め方などを詳説し、今後の歯列が確定してくる小学2年生までに始めることを推奨した。また、「拡大床治療を始めるにあたっての確認事項」について言及し、治療期間が長くなる点や、歯列を整えることが目的であり、矯正治療ではないことを十分に理解してもらったうえで治療を始めることを強調した。

 最後に、綺麗な歯列を維持するためポイントや口腔機能訓練を紹介するとともに、「拡大床治療はだれにでも確実に結果が出せる治療法」とし、小児期にどんな歯科医院にかかったかで生涯にわたる口腔の健康が決まるとまとめた。

 講演後の質疑応答では、寄せられた質問に対し、須貝氏が講演中と同様わかりやすく回答し、盛会となった。
 
 なお、次回のWEBINAR#17は、きたる12月15日(水)20時より、窪田 努氏(京都府開業)、片野 潤氏(歯科技工士、MDSC)を招聘し、「とことん解説 ~誰でも速くキレイに撮れる口腔内スキャナー~ 」をテーマに開催予定である。申し込みはこちらから。