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2022年6月16日

日歯、第198回臨時代議員会を開催

骨太の方針の内容を含めた質問や要望が寄せられ、活発な答弁が展開される

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 さる6月16日(木)、17日(金)の両日、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、堀 憲郎会長)による第198回臨時代議員会が開催された。

 開会後、堀会長は挨拶のなかで、1)新型コロナウイルス感染症対応、2)2040年を見据えた歯科ビジョン、3)骨太の方針2022に対する日歯の見解――以上の3点について言及。特に骨太の方針2022について、歯科界が目指している「歯科医療と口腔健康管理の充実によって口・全身の健康を増進し、健康寿命を延伸する」という目標を国と共有できていることを高く評価した。また、世間でも注目を集めている国民皆歯科健診についてふれ、「生涯を通じた歯科健診の充実を図る」という骨太の方針への記載は6年連続であり、方向性として新しいものでないとし、「医療費削減」という表現について「医療費の削減は結果としての可能性であり目的ではない」とあらためて強調した。

 次に、来賓挨拶が行われた。なかでも島村 大氏(参議院議員)より、新型コロナウイルス感染症有識者会議にて、有識者から「感染症の法律を改正して歯科医師がワクチン接種を行えるようにしたい」との要望があることや、それを前向きに検討していることが報告された。また、住友雅人氏(日本歯科医学会会長)より、2025年開催予定の第25回日本歯科医学会学術大会における決定事項や事業活動の説明がなされた。住友氏は学術大会への参加を呼びかけるとともに、「エビデンスを蓄積し、公的医療保険の評価を得て会員の皆様に還元したい」と述べ、挨拶を締めくくった。

 引き続き、一般会務報告、予算決算特別委員会報告、令和3年度事業報告が各担当者から行われた。決議事項では、第1号議案「令和3年度会務・収支報告の件」、第2号議案「公益社団法人日歯福祉共済保険規則の一部改正の件」、第3号議案「裁定審議会委員指名の件」、第4号議案「選挙管理委員会委員指名の件」、の全4議案が上程され、すべての議案が承認された。

 2日間にわたり、地区代表・個人事前質問に対する答弁が資料をもとに行われた。多数の事前質問や関連質問および要望が寄せられ、なかでも骨太の方針にも記載されているオンライン資格確認や歯科衛生士の人材確保における対応への言及が注目された。オンライン資格確認導入の目的について、医療情報をネットワーク上で管理することで医科歯科の治療情報を共有することや、前医の治療情報の引継ぎを可能とするデータヘルス改革の概要が担当理事より解説された。また、歯科衛生士の地位向上や待遇改善、業務範囲の拡大などの要望に対しては、歯科衛生士免許取得者の就業率は改善傾向にあるものの十分でないとの認識を示し、「今後も歯科衛生士の重要性の広報展開を図り、関係各所にはたらきかける」と回答した。

 近年は、コロナ禍の影響から時間短縮や議決権行使書による変則的な開催であったが、本会は2019年6月以来の3年ぶりとなる現地開催の運びとなった。会場には約140名の議員が参集し久しぶりの現地開催とのこともあり、活発な答弁が展開された。