2022年8月25日掲載

「気をつけて! 混合歯列期に未萌出の犬歯」をテーマに

WHITE CROSS、須田直人氏のWebセミナーを配信

WHITE CROSS、須田直人氏のWebセミナーを配信
 8月25日(木)から歯科医師向け情報サイトWHITE CROSS(赤司征大代表取締役)は、須田直人氏(明海大教授)による「気をつけて! 混合歯列期に未萌出の犬歯」と題したWebセミナーを配信している。

 須田氏は、日本における埋伏歯の頻度は、智歯を除いて5.7%、埋伏犬歯は3.8%であると述べた。また、平成30年度の診療報酬改定で3歯以上の前歯永久歯萌出不全に起因した咬合異常が保険診療の対象となったことで、紹介されてくる患者が増え、明海大学では矯正治療の症例のうち14.8%が埋伏犬歯の症例となっていると説明した。

 そして、萌出中の犬歯の周囲には、退縮エナメル上皮が増殖してできた嚢胞様の透過像が見られることがあると述べた。その透過像は、他の永久歯の歯根吸収を起こすことから、未萌出の歯を経過観察してしまうことによって、他の永久歯の歯根に為害作用を及ぼす可能性を示唆した。

 次に、異所に埋伏している犬歯にまつわる症例を5症例提示し、治療を計画するうえでは口腔全体の状況を見て犬歯を保存(牽引)するか、抜歯するかを検討する必要があると述べた。

 最後に、埋伏前歯の早期発見のためには、適切な時期のパノラマエックス線撮影が重要であることを説明した。そのうえで、18歳以下の保険診療においては、適切な傷病名がつけられないことから、パノラマエックス線写真の撮影を行わず、デンタルエックス線写真で診断を行うことが多い現状を語った。そして、混合歯列期の患者の診断の際には、異所に埋伏している歯によって、永久歯の歯根が吸収する場合があることに留意してほしいと強調した。

 なお、本セミナーは、9月30日まで延長して公開される予定である。

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