2022年10月1日掲載

矯正治療と歯周組織をテーマに、月星陽介氏が講演

(株)COCO DentMedical、オンラインセミナーを開催

(株)COCO DentMedical、オンラインセミナーを開催
 さる10月1日(土)、株式会社COCO DentMedical(石原美樹代表)によるオンラインセミナーが開催された。今回は月星陽介氏(愛知県勤務)が招聘され、「矯正と歯周組織のハナシ~今知りたい臨床に不可欠な知識~」と題して講演が行われた。

 月星氏はまず、歯周病患者における矯正治療について、歯周病であっても炎症がコントロールされていれば矯正治療は可能であること、逆にコントロールできていなければ、アタッチメントロスにつながる可能性があることを提示。そのうえで、矯正治療前にセルフケアを確立すること、その後、治療中・治療後にかけてコントロールを続けることが重要であるとし、歯科衛生士の役割の大きさを説いた。

 次に、不正咬合について、う蝕・歯周病との相関や、矯正治療が歯周組織に与える影響について、現在得られるエビデンスをふまえて見解を述べた。また、早期治療すべき不正咬合として、早期接触による下顎の偏位がある場合や、歯周病の観点からは過蓋咬合、特にAckerlyの外傷性過蓋咬合の分類のうちタイプⅡ(下顎前歯が上顎前歯の歯肉溝に噛みこんでいる場合)を挙げ、それぞれの根拠を示した。

 続いて、矯正治療によって歯周組織にもたらされる変化について、歯根膜をキーワードに取り上げ、それを応用した方法として、アップライトや圧下、挺出の意味を解説したほか、小児の矯正治療において注意しておきたい点として、上顎犬歯の埋伏について紹介した。

 全体をつうじて、関連する文献はもちろん、症例や自作のシェーマとともに明快に解説され、歯科医師だけでなく、歯科衛生士の参加者からも好評を博した。講演終了後、月星氏は参加者から寄せられた多数の質問に1つひとつていねいに回答したり、石原氏とディスカッションしたりするなど、予定時間を超過するほど非常に濃密な時間となった。

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