2010年3月7日掲載

<font color='green'><b>「第2回ナノジルコニアフォーラム」開催</b></font>

<font color='green'><b>「第2回ナノジルコニアフォーラム」開催</b></font>
 さる3月7日(日)、パナソニックセンター(東京都)において、第2回ナノジルコニアフォーラム(パナソニック四国エレクトロニクス主催、山根健司代表取締役社長)が約150名の参加者を集めて開催された。本フォーラムは同社が提供する「C-Pro System」を広く紹介するもの。同システムは、全国主要都市に所在するデザインセンター(同社のCAD装置「デンタルシステムD700-3SP」導入歯科技工所)によりデザインされたデータを基に、同社のミリングセンターで加工されたジルコニアフレームなどを提供するシステム。現在一般的に用いられているジルコニアはイットリア系ジルコニアであるが、同システムで使用する「P-ナノZR」は、セリア系ジルコニアにナノサイズのアルミナ粒子を加えたナノ複合体であることが特徴。以下に演題および演者を示す。 ・「ナノ複合化構造セラミックスの材料特性と臨床応用に向けて」(宮崎 隆氏、昭和大歯学部歯科理工学講座教授) ・「ナノジルコニアの臨床的可能性」(杉山雅一氏、アートセラミック) ・「『アレルギーの観点からのセラミックスの臨床』―安心して使える安全な材料を求めて―」(澤田智慈氏、神歯大口腔機能修復科学講座臨床教授) ・「ナノジルコニアを応用した新しいオールジルコニアセラミックブリッジの臨床」(三浦宏之氏、医歯大摂食機能保存学講座教授)  本フォーラムの発表内容によると「P-ナノZR」の大きな特徴は、破壊靭性値が高いため、コーピングの厚みをイットリア系のジルコニア(4~5mm)よりも薄く、メタルと同程度(3mm)にできること。また、完全焼結体であるため、良好な適合が得られやすいことが挙げられる。講演後のパネルディスカッションでは、参加者から、「P-ナノZR」の適合性、物性、価格についての質問が寄せられ、「セラミックを超えたセラミック」であるナノジルコニアに対する関心の高さがうかがわれた。

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