学会|2026年2月3日掲載
九州や東北地方からも会員が参集
日本臨床歯科学会東京支部、2025年度第2回 ステップアップミーティングを開催
さる2月1日(日)、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都)において、日本臨床歯科学会東京支部(西山英史会長)による2025年度第2回ステップアップミーティングが開催された。会場には、日本臨床歯科学会の東京支部会員はもちろん、九州や東北地方の会員も多数参集する盛況となっていた。
演題、演者および概要について以下に示す(講演順)。
1)一般講演1「骨格性Ⅱ級前歯部開咬を有する右側下顎第一大臼歯のエンド・ペリオ病変に対して精密根管治療と再生療法で保存を試みた1症例」澤井裕貴氏(埼玉県勤務)、座長:吉田茂治氏(埼玉県開業)
本演題では、他院にて右側下顎第一大臼歯の抜歯を勧められた患者に対し、検査・診断およびインフォームドコンセントを経たうえで標題のとおり精密根管治療と再生療法で保存を試みた症例を供覧。右側下顎第一大臼歯近心と第二大臼歯の近心に骨内欠損が見られ、さらに開咬を呈していること、なおかつ右側下顎第一大臼歯以外には特に大きな症状は見られていないことをふまえて慎重に行われた検査・診断、歯周組織再生療法、骨造成処置、そして根管治療の過程を示した。なお現状では右側下顎第一大臼歯の保存が図られた状態だが、これまでの治療の結果から患者が矯正歯科治療による開咬の改善にも興味を示しており、今後はそちらにも取り組んでいく予定とのことであった。
2)一般講演2「酸蝕症を有する患者に対し全顎修復を行った一症例」山本 賢氏(埼玉県開業)、座長:中野忠彦氏(東京都開業)
本演題で演者は、「歯が短くなってきた」との主訴で来院した58歳男性患者の症例を供覧。酸性飲料の常飲による酸蝕症に加え、骨格性Ⅲ級であることから全顎的な補綴・修復治療を計画。特に前歯部ではラミネートベニアの応用も検討されたが、酸に侵された象牙質では接着性が低下するという文献を引用しつつ、モノリシックジルコニアクラウンを選択した経緯を解説。歯科技工士との連携のもとでファースト、セカンドプロビジョナルレストレーションへと進めており、近日中に上述のモノリシックジルコニアクラウンを装着する計画であることを示した。
3)「クリニカルカンファレンス」川手良祐氏(千葉県開業)、成瀬千絵美氏(歯科衛生士、山中デンタルクリニック)、平島慎吾氏(歯科技工士、she DENTAL PLANNING)、症例提供:目代 匡氏(東京都開業)
今回初めて行われた「クリニカルカンファレンス」では、既存の1症例に対して歯科医師、歯科衛生士、そして歯科技工士がそれぞれの立場からコメントを述べることはもちろん、Web投票システムを用いて会場の参加者に「どのような資料が追加で欲しかったか?」「歯周基本治療を行う前にまず何をするか?」「何本の歯を残すか?」「欠損補綴をどのように行うか?」といったアンケートを行い、その結果をリアルタイムに集計・表示された。これにより会場に一体感が生まれたことはもちろん、それぞれの参加者が自分が多数派か否かを感じられる意欲的な企画となっていた。なお、提示された症例は目代氏が2017年の本ミーティングで供覧した欠損補綴症例の8年後の経過であり、初診時から現在までに行われた検査・診断および処置の流れが詳細に示された。
会場ではさらに、ランチョンセミナーや多数の企業によるブース展示も催され、あわせて盛況となっていた。