社会|2026年3月23日掲載
実力派のペリオドンティスト6名、歯科衛生士2名が登壇
ペリオな会が開催
さる3月20日(金)、日本大学歯学部創設百周年記念講堂(東京都)において、ペリオな会が開催された。本会は片山明彦氏(東京都開業)、山口文誉氏(神奈川県開業)、岩野義弘氏(東京都開業)、斎田寛之氏(埼玉県開業)という同世代の4名のペリオドンティストによって結成された会である。本会は2023年に開催された第9回日本国際歯科大会(クインテッセンス出版主催)において、演者であった4名が意気投合したことから、片山氏の提案で企画された。当日は、歯科医師、歯科衛生士をはじめとした約270名の歯科関係者が参集した。
午前は4名が講演し、各講演の間にはそれぞれの先生のおすすめする製品を企業が紹介する企業プレゼンが行われ、盛り上がりを見せた。岩野氏は「ペリオの愉しみ ~Positioning Suture~」と題して、APF(Apically Positioned Flap)などのフラップ手術に加え、骨膜縫合やロールテクニックといったポジショニングスーチャーについて動画供覧を交えて解説した。
片山氏は、「どこまで歯を保存できるか? 歯周組織再生療法の極意!」を演題に、歯周組織再生療法を成功させるために考えていることとして、血餅の安定性、軟組織の保護および一次閉鎖、スペースの確保を挙げた。まとめとして、再生療法の治療効果は、使用する再生材料や治療法よりも歯科医師の手技に左右されるため、自身の手技を磨くことの重要性を強調した。
そして山口氏は、「インプラント角化粘膜に対する低侵襲FGG」を演題として、FGGやその併発症について説明したのち、トンネルテクニックを併用した低侵襲なFGG(遊離歯肉移植術)の症例を供覧した。斎田氏は、「動揺歯はいつ、どう固定するのか~歯周基本治療から口腔機能回復治療での臨床判断~」の演題で、歯の動揺の評価方法や、一次固定・二次固定の仕方について解説し、炎症のコントロールにより動揺は収束するので初期の固定はできるだけ行わないこと、垂直的動揺は早期に対応すること、2度以上の動揺や患者に咀嚼障害がある場合は連結固定を検討することなどを結論として挙げた。
午後は、DHセッションとして、清水里香氏(歯科衛生士、岩野歯科クリニック)、片山奈美氏(歯科衛生士、斎田歯科医院)が講演を行った。清水氏は「長期メインテナンス患者との関係性の変化~臨床経験からの気付きと工夫~」の演題で、ブラッシング指導の効果を感じた症例を供覧し、セルフブラッシングが重要であること、ブラッシング方法などを説明するための写真や動画を撮影して患者に見せることが大切だとした。片山氏は「アドヒアランスの長期維持とグレーシーキュレットテクニックの臨床的意義」と題して、咬合性外傷への対応の仕方や、シャープニング法について解説し、歯周治療のゴールは患者がセルフケアしやすい口腔内の状態を長期にわたり維持することであるとした。
その後、Dr.セッションとして、川名部 大氏(東京都開業)、奈良嘉峰氏(神奈川県開業)が講演し、総合ディスカッションが行われた。川名部氏は、「下顎最後臼歯部骨欠損に対する治療戦略~智歯抜歯時のマネジメントから歯周組織再生療法まで~」の演題で、最後臼歯遠心骨内欠損の歯周組織再生療法「L-EPPT(The Last Molar-Entire Pad Preservation Technique)」は口腔前庭が浅く付着歯肉が乏しいケースにおいて有効な一手であるとし、頬側遠心骨欠損は適応である一方で、舌側骨欠損は適応外だとした。
奈良氏は「トンネルテクニックを応用した歯周組織再生療法」と題して、「Flexible Tunnel Technique」は初期閉鎖や再生スペース保持などに有利なトンネルアプローチであり、明視下で行うことができ、舌・口蓋側に及ぶ囲繞性骨欠損にも対応可能であるが、手術時間が従来より長くなる可能性や、支台歯がない場合は視野が限定的であることを欠点として挙げた。
総合ディスカッションでは、再生療法や低侵襲なフラップデザインなどについて議論され、盛会のうちに閉幕した。次回は、きたる2027年2月23日(火)、日本大学歯学部創設百周年記念講堂(東京都)において開催予定。