新理事長に就任したJIADSの「顔」

2023年1月号掲載

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2023年1月号掲載

新理事長に就任したJIADSの「顔」

良好な治療結果を維持する「Longevity」を追求・共有したい

 1988年にスタートし、日本を代表する卒後研修機関として優秀な臨床家を輩出し続けているJIADS(The Japan Institute for Advanced Dental Studies)が2023年に35周年を迎える。2022年12月、新理事長に就任した松井徳雄氏(東京都開業)は、30年以上にわたりJIADSの発展を見続けてきた今、何を思うのか――。本欄では氏のJIADSだから伝えられることについてうかがった。

松井:JIADSは1988年に藤原 顕先生のリーダーシップのもと、小野善弘先生と中村公雄先生(ともに現貴和会顧問)が設立され、2023年で35周年を迎えます。当初はペリオ・補綴コースからスタートし、現在では12コースが開催されています。また東京・大阪での勉強会(JSCT、JSCO)のほか、全国5支部(北海道、東北、中部、中四国、九州)や各勉強会など多くの方々がJIADSの活動にかかわっていただいています。

 JIADSの目指すべき歯科医療のゴールは「Longevity(治療結果の永続性)」の達成です。このコンセプトを宮本泰和先生(京都府開業)、浦野智先生(大阪府開業)、瀧野裕行先生(京都府開業)の歴代理事長が継承され、JIADSは大きな組織へと発展・成長を遂げてきました。

 私は卒業後、貴和会歯科診療所に勤務しながらJIADSペリオ・補綴コースのアシスタントとして、1991年夏より勉強させていただきました。当時、小野先生がボストンでDr. G. KramerやDr. M. Nevinsから学ばれた歯科医療のコンセプトや考え方を受講生に伝えようとされる熱い想いがこもった講義を鮮明に覚えています。その想いや姿を長年にわたり間近で見させていただきました。薫陶を受けた受講生が全国各地で活躍されている姿を見るたびに、JIADSの一員であることを誇りに思います。

 JIADSには30年を超える伝統があります。これからのJIADSはどうあるべきか、舵取りを担う理事長として先輩方が築き上げたJIADSの目指すべき歯科医療を継承していくことはもちろんのこと、歯科医療人として、「Professional(知識・技術の習得)」「Practical(臨床での実践)」「Profitable(患者、術者ともに有益な結果)」を目指すことの大切さも伝えたいと考えています。そして歯科治療はだれが行っても同じ結果が出る「科学性」が求められる以上、正しい情報の発信や知識・情報の共有によって個人だけでなく、スタッフを含めたチームとしての歯科医療をスキルアップさせることが必要です。

 現在のような情報過多の時代において、歯科医療を「Longevity」に導くための判断力が今後ますます求められるなか、私は「JIADSだから伝えられること」があると信じています。

 今後もJIADSの伝統を重んじ、さらに飛躍させるべく日々精進し、次代の歯科を担うJIADSにかかわった方々が目の前の患者さんを笑顔にする歯科医療の実践に少しでも貢献できたら幸甚です。