第4回　顎の固定について考えてみよう 「咬筋が活動する＝歯の接触（噛みしめ）」と考えられたワケ 　これまで、噛みしめずに行われている顎の固定という考え方と遠隔促通という現象（ある部位の筋肉の強い収縮が離れた部位の筋肉の興奮性を高める）が「筋力発揮時の顎の動き」に密接な関係があることを話してきた。この2つの要素はスポーツ歯科の肝の部分といっていいだろう。そして、「筋力発揮時には噛みしめている」という都市伝説の存在。これは誤った解釈とはいえないが、この固定観念はス...

第3回：川良美佐雄先生との挑戦その2 噛みしめると筋活動が向上するらしい！？ 　皆さん、「噛みしめる」と力が出るんでしょう？　と聞かれたらどう答えますか？　 　第2回は、松戸が発信する「顎の固定」という新しい概念と、そこに至った経緯をお話しさせていただいた。今回は、もう一つ避けては通れない考え、「遠隔促通（Remote Facilitation）」について紹介したい。 　遠隔促通は生理学の用語であるが、簡単に説明すると、ある部位の筋肉の強い収縮が離れた部位の筋肉の興奮性を高める現象である...

第2回：川良美佐雄先生との挑戦その１ 分野横断的な領域スポーツ歯科 　あらためて「スポーツ歯科とは何か」と問われれば、私はスポーツアスリートからスポーツ愛好家にいたるまでの老若男女に対し、歯科的サポートを実施することで安心、安全にスポーツを楽しんでもらう支援をすることだと考えている。スポーツ歯科は多面的であり、外傷に対応する口腔外科、歯の破折や脱臼に対応する保存科、運動時の顎運動や咬合理論に対応する補綴科をはじめ小児歯科、矯正科などが関係する分野横断的な領域で...

第1回：スポーツ歯科はライフワーク⁉ スポーツ歯科をもっと知ってほしい 　私がスポーツ歯科に携わるようになって25年が経過した。先輩方を前にすればベテランとはまだまだ言い難いが、歯科医師になって30年経つため、その大部分はスポーツ歯科とともに歩んできたといえる。今回、編集者の方々とスポーツ歯科談義を繰り広げるなかで、連載の打診を受けたことから本連載企画がスタートした。 　私は多くの仕事や悩みを抱えているなかでの執筆に、「できるかな？」との迷いが一瞬頭をよぎったが、「Internationa...

ランチの鶏肉とかぶの醤油麹煮は、酵素発酵玄米、サラダ、スープ、ドリンク付。　スポーツ選手との外食時には、味はもちろん、食の安心・安全に対しても気を遣う。オーガニックに取り組む生産者の顔が見える食材を、目利きのプロデューサーが仕入れ、こだわりの調理法で料理を完成させるシェフがいる店。それが東京・麹町にある「ゼン・カフェマリーナ」である。　初めて当店を訪れた翌朝、お腹いっぱい食べて飲んたはずなのに体重が減っていて驚いたことを今でも鮮明に覚えている。後日、お店をご紹介いただいたプロデューサーにこの話をしたところ、...