さる4月23日（木）、WEB会議において、日本歯科医師会（以下、日歯、堀　憲郎会長）による定例記者会見が開催された。新型コロナウイルス感染症対策としてWEB形式による開催となったが、本定例会見がオンライン上で行われるのは初の試み。

　冒頭の挨拶で堀会長は、この2か月にわたって取り組んできた新型コロナウイルス感染症対策を振り返り、日々国民の健康のために尽力する日歯会員の歯科医師とスタッフへの謝意を示した。また4月22日に緊急事態宣言が全国へと拡大されたことを受け、飛沫感染・接触感染の予防といった院内感染対策にかかわる指針について、よりいっそうの周知を徹底していく意向を表明した。

　その後、現在SNSやニュースなどで話題となっている「歯科医院は感染のリスクが高い」という風聞についても言及。歯科治療はその性質において感染のリスクがあることを認めたうえで、「無症状の患者から歯科医師やスタッフへの感染リスクが懸念されているのであって、歯科治療の中で患者が感染するリスクが高いわけではない」と述べた。

　そのほか、今後さらなる感染拡大が起きた場合の対応として、緊急時における歯科医療提供体制の構築が課題となることから、陽性と診断された患者のうちホテルなどでの生活を余儀なくされている軽症者も対象に含め、電話や情報通信機器を利用したオンラインでの歯科診療ができる仕組みの整備を4月10日付で厚労省医政局長宛に要望したことを報告した。

　その後、記者団との質疑応答の中で遠藤秀樹副会長は、オンライン診療における診療報酬については、すでにこの分野において先をいっている医科を参考にしながら、厚労省に対応を求めていると説明した。

　感染拡大の収束の目処が立たない新型コロナウイルス感染症の影響が広がるなか、オンライン診療の拡充が患者と歯科医院の双方にメリットをもたらすことを期待したい。