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2020年9月17日

東京SJCD web seminar開催

鈴木真名氏と山口文誉氏の講演に300名が視聴

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 さる9月17日(木)、日本臨床歯科学会東京支部(大河雅之会長)による東京SJCD web seminarがオンラインミーティングプログラムのZoomにて開催され、約300名が視聴した。

 まず、大河雅之氏(東京都開業)が登壇し、本会開催の経緯を解説。本年の新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響を受け、ほぼすべての勉強会や講演会が中止になるなか、多くの若手歯科医師の要望によって東京SJCDウェビナー委員会が発足され、鈴木真名氏(東京都開業)が音頭をとることによって本会が実現したとのこと。

 今回は、鈴木氏と山口文誉氏(神奈川県開業)が登壇。「インプラント周囲炎とどう向き合うべきか?」をテーマに、両氏が交互に症例および文献を解説するといった形で本会は進行した。

 まず、山口氏が2017年に米国歯周病学会(American Academy of Periodontology)と欧州歯周病学会(European Federation of Periodontology)共催のワークショップ「World Workshop on the Classification of Periodontal and Peri-Implant Diseases and Conditions」にて発表された歯周病の新分類において、初めてインプラント周囲炎の明確な定義づけがなされたと解説。

 その後、鈴木氏がインプラント周囲炎によって骨吸収が生じた部位に対してエムドゲインを用いて再生療法を行った症例を供覧。良好な結果を得るためにいくつか条件はあるものの、「メインテナンスしやすい環境を構築することが重要である」と解説した。また、安定した角化歯肉を獲得するために、上皮付きの移植片をエンベロープ内に挿入して一部を露出させる、もしくはそれをエンベロープ内に挿入した後に完全に覆うといった2つのテクニックを紹介。これには多くの質問が寄せられ、なかでも天然歯に対する根面被覆術にも応用可能かという質問に対して、鈴木氏は可能であるという見解を示し、参加者の注目を集めていた。

 多くの歯科医師が聴講し、コロナ禍に負けんとする鈴木氏と山口氏の姿が印象的であった本会。次回の開催にも期待したい。