Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2022年9月11日

大阪大学歯学部同窓会、2022年若手支援・復帰支援臨床セミナー(第1回)を開催

須田剛義氏、吉田健二氏、吉備政仁氏が臨床の基本をわかりやすく解説

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる9月11日(日)、大阪大学歯学部同窓会(谷口 学会長)による2022年度若手支援・復帰支援臨床セミナー(全2回)が、大阪大学歯学部記念会館(大阪府)およびWeb配信のハイブリッド形式で開催された。

 昨年はオンライン講義のみの開催となったが、今年はオンラインだけでなく現地参加も可能となった。初回の今回は、須田剛義氏による「臨床力を底上げする診査・診断」、吉田健二氏による「歯内療法をシンプルに考える」、吉備政仁氏(いずれも大阪府開業)による「部分床義歯を成功へ導く考え方と設計」がそれぞれ行われた。

 最初に登壇した須田氏は、補綴治療における診査・診断について解説。補綴治療には補綴物製作・修復のほかに、審美的回復、スマイルの改善、咬合の再構築などの役割もあることから、多くの情報収集と得られた情報の分析が重要であるとした。また分析においては、患者の分析、原因の分析、口腔外の分析、口腔内の分析、審美的分析、機能的分析を挙げ、それぞれ詳説した。

 続く吉田氏は、根管治療の目標を「医原性感染の防止」「感染源の除去」「感染経路の遮断」とし、処置中の感染原因と対策について述べた。器具滅菌やカリエスの確実な除去、プラーク・歯石の清掃・消毒などのポイントにふれたほか、特にラバーダム防湿について詳説。ラバーダムを導入するためのヒントや意義、テクニックを複数紹介し、ラバーダムができない症例やその対処法についても解説した。

 最後に登壇した吉備氏は、まず、部分床義歯製作にあたっての成功のための要点として「難易度の評価・診断」「設計と前処置」「精度の高い臨床と技工操作」「装着後のリハビリテーションと維持管理」を挙げ、部分床義歯の難易度評価・診断と設計についてさらに詳しく解説した。設計においては、動かない・汚れない・壊れない義歯が原則であるとして上顎遊離端欠損の1症例をもとに、設計の手順や臨床の勘所を示した。

 なお本セミナーの2回目は、きたる11月13日(日)に河原 敬氏(大阪府開業)、中村俊雄氏(兵庫県開業)、寺嶋宏曜氏(大阪府開業)を迎え行われる。さらに2023年3月には、今回と2回目の受講者向けのハンズオンも予定している。