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2024年4月3日

クインテッセンス出版株式会社、第47回WEBINARを開催

大谷一紀氏が「オールセラミック接着ブリッジ」をテーマにWeb講演

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 さる4月3日(水)、大谷一紀氏(東京都開業)によるWEBINAR#47「MIを考慮した修復治療~前歯部欠損症例に対するオールセラミック接着ブリッジの応用」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、大谷氏の著書『1リテーナーオールセラミック接着ブリッジ臨床ガイド』の内容をベースに行われた。

 講演で大谷氏はまず、前歯部1歯欠損かつその両隣在歯が健全歯の2症例に対し、従来型の3ユニットブリッジおよびインプラントによる治療を提示。そのうえで、これらの治療法は予知性にすぐれた治療法ではあるが、前者は両隣在歯エナメル質の大幅な削合、後者は外科処置という代償がともなうとした。

 また、このどちらの代償も回避できる治療法として接着ブリッジを挙げ、同治療法の起源や歴史、利点・欠点、適応症など、その概要を解説した。さらに近年、接着ブリッジの補綴デザインは、欠損部両側にリテーナーを付与する2リテーナー接着ブリッジよりも片側のみにリテーナーを付与する1(シングル)リテーナー接着ブリッジのほうが術後合併症(剥離・脱離)のリスクが低いことを種々の文献を示しながら、また自例も供覧しながら述べた。

 その後は、接着ブリッジの補綴材料に二ケイ酸リチウムセラミックスおよびジルコニアセラミックスを用いた1リテーナー接着ブリッジの臨床手技を、治療工程ごとにその根拠となる文献の提示や動画を交え解説。大谷氏は、接着ブリッジの維持は接着に依存するため接着操作がもっとも重要だといえるが、なかでも各接着操作を行うなかで、プラークや浸出液により汚染される歯および補綴装置の被着面の繰り返しかつ徹底的な清掃が肝要であることを強調した。

 最後に、従来、多くの場合3ユニットブリッジかインプラントかの二択を迫られた前歯部1歯欠損の治療に対し1リテーナー接着ブリッジが加わったことは、選択肢が増えたという意味で患者・術者の双方に予想以上のインパクトがあったとの臨床実感を述べ、本セミナー参加者にもその臨床応用を推奨した。

 講演後の質疑では、講演中にもふれられていたブラキシズムを有する患者への対応や咬合接触の付与、プロビジョナルレストレーション装着時の接着操作などについてより詳細な質問が参加者から寄せられ、演者はこれに簡潔に応答した。

 なお、本WEBINARは今後も2024年7月4日まで新規購入することができる。次回のWEBINAR#48は、きたる4月10日(水)、月星光博氏(愛知県開業)を招聘し、「外傷歯治療の正義~Justice in Dentistry~」の講演タイトルで開催予定。両セミナーの申込みはこちらから。