社会|2024年3月2日掲載
クインテッセンス出版(株)
小濱忠一氏による第42回Webセミナーが開催
冒頭、小濱氏は前歯部抜歯即時埋入の治療概念について、「即時埋入法」と「待時埋入法」双方の症例を示しながら、それぞれの術式の利点や考慮すべき事項について言及。自身のこれまでの臨床経験と文献を交えながら即時埋入法の優位性を説いた。
また、抜歯即時埋入におけるインプラント選択基準のポイントとして、特に15Ncm以上の初期固定を得るうえで重要となる表面性状について解説。血液の濡れ性を高くすることが治癒速度の向上に寄与することを説明するとともに、表面性状を親水性にする手法として、①紫外線照射、②コーティング処理、③プラズマ照射――3つの手法を紹介した。
最後は、インプラント治療を成功に導くための上部構造の固定用式や歯肉貫通部における生物学的形態に言及しつつ、補綴治療の1つのオプションとしてインプラント治療を位置づけることの重要性を強調した。
氏の書籍では、40年以上の臨床経験から生まれた長期症例が多数紹介されており、本セミナーにおいても適応症から術式選択の基準、治療のゴール設定までをていねいに解説するとともに、予定された時間を超過する圧巻の症例の数々を供覧した。