2013年6月29日掲載
「糖尿病と肥満の深い関係」開催
東京医科歯科大学 糖尿病・内分泌・代謝内科 市民公開講座
さる6月29日(土)、東京医科歯科大学(東京都)にて同大学糖尿病・内分泌・代謝内科主催による市民公開講座「糖尿病と肥満の深い関係」が開催された。本講座は、糖尿病予防の重要性を広く啓発するために昨年より行われ、今回は肥満との関係をテーマに開催された。
まず小川佳宏氏(医歯大糖尿病・内分泌・代謝内科教授)が、総論として「糖尿病と肥満の深い関係」と題して解説した。昨今では、いわゆる「肥満」は「肥満症」という病気の1つと捉えられており、肥満に関連する疾患、肥満が及ぼす糖尿病への影響、胎児期・乳幼児期の不十分な栄養と成人期の肥満・糖尿病との関連などを示した。
つづいて料理研究家の浜内千波氏(ファミリークッキングスクール主宰)が「ベジファーストの勧め」と題して講演した。「ベジファースト」とは食事時に血糖値を上げにくい野菜や海草などを先に食べることで高血糖を防ぐ食べ方である。講演ではその有効性や、食事の際に特に摂取したい野菜、十分な咀嚼の必要性などについて解説した。
その後は、南 勲氏(医歯大糖尿病・内分泌・代謝内科助教)が講演「糖尿病:やっぱり肥満はまずい?」を、三原正明氏(同大学同内科講師)が講演「糖尿病:やせていれば大丈夫?」を行った。2型糖尿病にはインスリン抵抗性が増大して起こるものと、インスリン分泌低下による場合がある。前者は肥満によるもの、後者はやせていても糖尿病になるケースで、それぞれで治療法は異なる。いずれにおいても放置することなく、最適な治療を受けることが重要であるとした。
4講演終了後には、時間をオーバーするほどの多くの質問があがり大盛況となった。