2020年9月26日掲載
糖尿病の病態・治療に関する知識が解説される
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はじめに、土川氏は「糖尿病はインスリン作用不足に基づく慢性高血糖を主徴とする代謝症候群」と提示したうえで、ブドウ糖やインスリンをとりまく基本的なメカニズムについて解説。また、「HbA1c」「食後高血糖」「血糖値スパイク」といった糖尿病にかかわる重要用語についても、患者へ伝わりやすい説明例などを交えながら1つずつ取り上げた。
次に、血糖コントロールを目的とした糖尿病治療について、食事療法・運動療法・薬物療法の3つについてそれぞれ紹介した。そのうえで、ひと昔前までは一律的に治療が行われていたが、現在では個々に合わせた目標設定・治療内容の選択が重視されていると強調。たとえば、中年期では生活習慣病の予防が重要である一方、高齢期では老化・フレイル予防に重きが置かれるなど、年代によっても目標や治療のポイントが異なるとのこと。また、高齢者におけるHbA1cの目標値についても、低血糖による認知機能の低下を防ぐために、通常よりも高めに設定されていることを紹介し、参加者の関心を集めた。
最後に、妊娠糖尿病・小児糖尿病についても言及。特に最近では、やせ型の妊婦や小さく生まれてくる子が増えているということで、小児肥満から糖尿病を発症する危険性にも注意する必要があると指摘した。
講演後に行われた質疑応答では、参加者からチャット機能で多くの質問が寄せられ、当初の予定時間を超過する盛り上がりを見せた。