2021年6月30日掲載
村上伸也氏と高山真一氏の同門出身講演が実現
クインテッセンス出版株式会社、第10回WEBINARを開催
村上氏は、残存歯槽骨由来の骨芽細胞が歯槽骨を再生させるメカニズムを詳説。「リグロス®」の効果について、3壁性、2壁性の骨欠損が骨再生に有利であり、より良い治療効果が得られると紹介した。また、歯周組織の再生療法の定義として「一度失われたセメント質と歯槽骨が再生し、両者の硬組織がコラーゲンの線維の束で結合すること(線維性の付着の新たな再構築)」を挙げ、歯根膜細胞が線維性付着の再構築に重要な役割を果たすことを強調した。
高山氏は冒頭、組織再生の3つのファクターとして「シグナル分子」「幹細胞」「足場」について言及。「シグナル分子」であるFGF-2が「幹細胞」の数を増やす効果や、フィブリン形成、高分子ヒアルロン酸合成を促すことで「足場」の構築に寄与し、組織再生を誘導することを説明。その際の注意点として、残存歯槽骨頂部を超えた再生は起こらないことを強調した。講演後半は、「リグロス®」を使用した7つの症例を臨床データや論文とともに供覧し、プレゼン画面に書き込みを入れながらていねいに解説を行った。
講演後の質疑応答では、村上氏の進行のもと、受講者から寄せられた質問に高山氏が回答し、その回答を受けて村上氏がまとめ・解説を行うなど、同門出身である両者の師弟関係を感じさせる質疑応答となった。
なお、第11回WEBINARは、きたる7月14日(水)20時より、長尾龍典氏(京都府開業)を招聘し、「開業医のための前歯部アライナー矯正導入・実践編」をテーマに開催予定である。申し込みはこちらから。