2021年12月22日掲載
令和4年度診療報酬改定、歯科はプラス0.29%
日歯、臨時記者会見を開催
堀会長は今回の改定について、診療報酬本体+0.43%という結果に対し、前回の+0.47%を下回り、看護処遇改善・不妊治療の保険適応などの目的を限定した対応を除くと医療全体としては+0.23%となり、歯科のみでは前回(+0.59%)の半分+0.29%(推計90億円)となった改定を受け、厳しい改定になったと総括した。一方、歯科の感染防止対策への対応が明記され、「わずかながらも財源が確保された点については一貫して続けてきた主張に理解が得られた」との認識を示し、コロナ禍という非常事態や厳しい財政状況のなかで支援に尽力してくださった国会議員や日本歯科医師連盟などの関係者に感謝の意を示した。
引き続き、社会保険担当の林 正純常務理事より、資料を基に令和4年度診療報酬改定の基本方針(概要)の説明がなされた。林常務理事は、医療経済実態調査の結果から個人歯科診療所の損益差額の低迷は明らかであるという見解を示し、安心・安全な歯科医療提供を持続的に果たすための基本方針について具体的な方向性を解説した。その中でも、特に重点課題である(1)新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築、(2)安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進について言及。地域連携・多職種連携の推進や基本診療料の評価の見直し、コロナ特例対応の継続などが挙げられた。
以下に今回の診療報酬改定率を示す。
1.診療報酬本体 +0.43%
各科改定率
※1 うち、※2~5を除く改定分 +0.23%
医科 +0.26%
歯科 +0.29%
調剤 +0.08%
※2 うち、看護の処遇改善の特例的な対応 +0.20%
※3 うち、リフィル処方箋(反復利用できる処方箋)の導入・推進による効率化 ▲0.10%
※4 うち、不妊治療の保険適応のための特例的な対応 +0.20%
※5 うち、小児の感染予防対策に係る加算措置(医科分)の期限到来 ▲0.10%
なお、歯科・調剤分については、感染防止等の必要な対応に充てるものとする。
薬価 ▲1.35%
※うち、実勢価等改定 ▲1.44%、不妊治療の保険適応のための特例的な対応 +0.09%
材料価格 ▲0.02%