2023年1月10日掲載
4週にわたってさまざまな講演が配信される
14th MORITA DH Forum、Web配信にて開催
萬田久美子氏(フリーランス歯科衛生士)による「なぜ取れない? 原因から考えるSRPの攻略法」では、歯石が残る原因について挙げられたうえで、SRPをスタートするタイミングやシャープニングのポイント、検査結果をふまえた戦略の立て方、器具の選択のしかたなどについて、写真・動画を交えて詳細に解説された。また、SRPを行った後には、歯石が取れたかどうか自己評価はもちろんのこと、歯科医師や先輩歯科衛生士による客観的評価が不可欠であると強調された。
伊藤充孝氏(高知県開業)による「訪問診療で必要な慢性疾患の理解と対応 その口腔ケア、届いていますか?」では、訪問診療における口腔ケアの実際について、認知症で要介護状態にある患者の症例をふまえて提示された。特にセルフケアが難しい患者においては、口腔ケアを行えるようなさまざまな配慮・環境整備が必要であること、口腔ケアによって口腔内の状態を改善するだけでなく、栄養状態の改善や誤嚥性肺炎・廃用の予防を見据えることが重要であることが述べられた。
河野充子氏(歯科衛生士、きたみち歯科医院)による「DHが活用するデジタル診療ってなに?」では、歯科衛生士が口腔内スキャナーとマイクロスコープを活用する方法が紹介された。前者は3Dによって、後者は拡大視野によってこれまでは見えなかった口腔内の状態が詳細に見えるため、それぞれの特長を活かすことで、OHIやメインテナンス、カウンセリング、さらには歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士の3者間での情報共有にも非常に有用であることが示された。
周藤 巧氏(広島県開業)、高山景子氏(歯科衛生士、広島すとう歯科・歯周病クリニック)による「歯周治療成功の鍵を握る 歯科衛生士の着眼点」では、医療面接、歯周病検査、歯周基本治療、再評価、歯周外科治療、SPTといった各段階において、歯科医師と歯科衛生士がどのように情報共有しながら歯周治療を進めているか、複数の症例をふまえて詳説された。歯科衛生士による検査結果やささいな気づきが、歯科医師による診断・治療にも大きくかかわるということで、両者の連携の重要性についてあらためて強調された。
また、今後は以下の講演が配信予定である。詳細については、本フォーラムの公式サイトを参照されたい。
【2023年1月24日(火)~30日(月)】
「天然歯に勝るものはない、だからこそ欠損をリスクと捉え、インプラントで守る~歯科衛生士がう蝕と歯周病から歯を!そしてインプラントを大切に守る!~」山崎瑞穂氏(歯科衛生士、株式会社DH Pro.School代表)
「歯科衛生士の新しい業務 口腔理学療法への誘い」姫野かつよ氏(歯科衛生士、タケウチ歯科クリニック)
【2023年1月31日(火)~2月6日(月)】
「歯周基本治療の戦術 SRPを楽しもう!」川崎律子氏(歯科衛生士、長谷川歯科医院)
「歯科衛生士業務におけるマイクロスコープの活用」渥美克幸氏(埼玉県開業)、篠永美佳氏(歯科衛生士、デンタルクリニックK)