社会|2025年6月18日掲載

会員発表のほか、大串奈津貴氏による特別講演が行われる

2025年PABC合同例会が開催

2025年PABC合同例会が開催

 さる6月15日(日)、福岡県歯科医師会館において、2025年PABC合同例会(安東俊夫主宰)が開催された。PABC(perio and basic club)は、PABC1、PABC2、PABC3の3つのグループでそれぞれ活動。年に1回、3グループが一堂に会して合同例会を開催しており、今年で3回目を数える。当日は、会員発表のほか、大串奈津貴氏(福岡県開業)を招聘した特別講演が行われた。

 まず、会員発表では、以下の演題にて5名の演者が登壇した。
「インプラント治療 経験と反省」白水資樹氏(佐賀県開業、PABC3)
「トゥースウェアと永久歯の先天欠如を伴う病的咬合に対して咬合再構成を行った症例」脇田祐輔氏(大分県勤務、PABC2)
「スタッフの専門性を活かした口腔機能改善への取り組み」吹譯浩史氏(福岡県開業、PABC2)
「パーシャルデンチャーの変遷」高橋武利氏(福岡県開業、PABC1)
「咬合崩壊症例へのアプローチ」白土 徹氏(福岡県開業、PABC1)

 幅広いテーマで各発表が行われたが、なかでも白土氏は、サイナスフロアエレベーションを行った症例、インプラントの二次手術時に遊離歯肉移植術を行った症例、対合歯の喪失にともない挺出した臼歯を矯正的に圧下した症例など、さまざまな治療オプションを用いて咬合再構成を行った症例を多数提示し、患者の背景をふまえたうえで一口腔単位にてアプローチする重要性を説いた。

 最後に、大串氏が「GPが磨く矯正術 Technique からStrategy の時代へ~1歯から始まる、果てなき矯正の学び~」と題して特別講演を行った。患者のライフステージにおけるさまざまな治療オプションのなかでも、矯正歯科治療が必要となるケースは多いと述べたうえで、小児に対する咬合誘導の症例から成人に対する全顎矯正の症例まで、さまざまな矯正的アプローチを供覧。“矯正を語れるGPになろう”とまとめた。

 本合同例会の特徴の1つに、各発表後の充実したディスカッションが挙げられる。1枚目のスライドから参加者全員で振り返り、質問またはアドバイスをその場で伝え合うことで、若手もベテランもそれぞれが明日の臨床につながる有意義な時間となったといえる。

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