社会|2025年6月25日掲載
辻本真規氏が「オーバーレイ修復を始めてみよう!」をテーマにWeb講演
クインテッセンス出版株式会社、第73回WEBINERを開催

さる6月24日(火)、辻本真規氏(福岡県開業)によるWEBINAR #72「オーバーレイ修復を始めてみよう!」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演は、辻本氏による著書『オーバーレイ修復 超入門』の内容をベースに行われた。
まず、コンポジットレジン修復やインレー、アンレーといった選択肢と比較しながら、オーバーレイがもたらすメリットについて言及。特に、歯頚部まで削去しないことから、歯質削除量を大幅に抑えられる点を強調した。また、近年の接着技術の進歩により、維持・抵抗形態に依存しない修復が可能になっていることにも触れ、「インレーなどでは力の集中が起こりやすい部位も、オーバーレイであれば力を受け流すことができる」と述べた。さらに、オーバーレイの適応症を判断するための基準について詳細に解説。窩洞の幅や深さ、残存歯質の厚みなどを指標とし、コンポジットレジン修復との境界線についても、図表を用いながら整理した。最新の文献的知見も紹介し、5年、10年単位の長期的な予後において、ガラスセラミックスによるオーバーレイは90%以上の高い生存率を示すことが示されており、レジン材料に比べて予後の安定性が高い点を指摘した。最後に、「削らない補綴治療の選択肢として、オーバーレイ修復は今後さらに重要な位置づけになる」と述べ、歯質保存と接着を重視した治療戦略の重要性を再確認して講演を締めくくった。
本講演の振り返り配信は、2025年9月24日(水)まで新規購入が可能である。次回のWEBINAR #74は、きたる7月9日(水)、30日(水)、石川知弘氏(静岡県開業)、石川 亮氏(兵庫県開業)、北島 一氏(静岡県開業)、福西一浩氏(大阪府開業)、船登彰芳氏(石川県開業)、南 昌宏氏(大阪府開業)を招聘し、「歯の保存にこだわる歯内療法・歯周治療 ~5-Dコンセンサス~」の講演タイトルで開催予定。振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。