社会|2025年11月20日掲載

咬合挙上の要諦を和田淳一郎氏が語る

第11回DMC+講演会開催

第11回DMC+講演会開催

 さる11月16日(日)、アクトシティ浜松コングレスセンター(静岡県)において、第11回DMC+講演会開催が行われた。DMC+(プラス)とは、静岡県・浜松市の歯科医師を中心に2008年に設立されたスタディグループ「DMC浜松」(足立友秀代表)が行っている講演会。今回はコロナ禍を経て2018年以来の開催となり、和田淳一郎氏(東京科学大学)を演者に迎え「安全で怖くない咬合挙上の理論と実際」の演題で講演が行われた。

 和田氏はまず、咬合挙上をともなう咬合再構成を成功させる鍵として、目の前の患者の治療に「どのような手順」「どのくらいの期間」「どのくらいの費用」が必要か、すなわち、「どのくらい大変か?」を事前に予測し、これらのことを患者と術者の双方が理解、共有することにあるとした。

 そのうえで、(1)咬合治療に必要な知識のおさらい 、(2)咬合挙上に関するレビューと一般的な心配事、(3)水平的な下顎位決定のための3つの基準、(4)具体的な咬合挙上の方法、(5)咬合挙上の注意点、(6)難症例への対応と考え方、(7)実際の症例、の項目順で講演を行った。また本会では、参加者から咬合挙上にまつわる質問を事前に募り和田氏に寄せていたが、これらは適宜、上記の項目に織り交ぜ解説されていた。

 本講演は、和田氏と若林則幸氏(東京科学大学)の共著による書籍『咬合挙上 その意思決定と臨床手技』(クインテッセンス出版)の内容をベースにしたものであったが、書籍だけでは得がたい“臨床の機微”にふれることができるものとなり、多くの参加者が深く頷きながら聞き入る様が印象的であった。

関連する特集