社会|2025年11月20日掲載
日本の矯正歯科医療のさらなる発展と次世代を担う若手歯科医師の育成を目的に設立
OIJ(Orthodontics Institute Japan)キックオフミーティング開催
さる11月16日(日)、オルクドールサロンTOKYO(東京都)において、OIJ(Orthodontics Institute Japan、中嶋 亮代表)キックオフミーティングが開催された。
本会は、日本の矯正歯科医療のさらなる発展と次世代を担う若手歯科医師の育成を目的とし、日本矯正歯科学会認定医やその他の認定医資格を有する歯科医師らが集って設立されたもので、日々の矯正歯科臨床の知識と技術の習得、加えて周辺歯科分野の専門知識についても学び、より良い矯正歯科医療を提供できる人材を育成することを目的とした年6回のコースおよび特別企画が実施される。
コースでは、設立メンバーから中嶋氏と高柳譲司氏(ともに東京都開業)が舌側矯正治療、浅田 薫氏(千葉県開業)および渡部博之氏(愛知県開業)がアライナー矯正治療、福本卓真氏(神奈川県勤務)が咬合・顎関節症治療、江間秀明氏(山梨県開業)が接着歯学、根津 崇氏(神奈川県勤務)がラビアル矯正治療およびバイオプログレッシブフィロソフィー、山田 翔氏(愛知県開業)がう蝕治療、月星陽介氏(愛知県勤務)が歯周病学、吉野智一氏(埼玉県開業)が小児矯正、平岡孝文氏(東京都開業、当日は欠席)がイノベーションファンドを担当する。
まず挨拶に立った中嶋氏は、矯正歯科の現況を「情報過多による分断(いわゆるフィルターバブルによってふれられる情報が限定される)」「コマーシャリズムの加速(矯正歯科治療が医療であることを後回しにした商業主義)」「デジタル化とグローバル化との親和性(バイオロジーや自分の臨床に合う技術選択に迷いやすい)」とし、また、こうした環境における若手歯科医師が抱える不安として「教育のギャップ(大学教育と臨床現場での要求にギャップを感じる)」「学びの断片化(散発的なセミナー参加では一貫性が欠如し学びが断片化される)」「組織の選択の難しさ(多くある学術団体・商業団体から基盤となる組織を決定することが難しい)」の存在を挙げた。OIJはこうした環境における若手歯科医師の不安を解消するためのものであり、「複数のメンターから学び、温故知新のエビデンスを取り込み、新しいツールを活用しながら、みずからの“矯正道”を組み立てていく場でありたい」とした。そして、「体系的なプログラムの提供」「メンターとのコミュニティ形成」「企業との協働」を柱とし、「“何を学ぶか”だけではなく、“どう学び続けるか”を追う」人材育成をOIJのミッションとして掲げた。
続いて、各設立メンバーが同会で自身の専門領域と役割への意気込みを述べ、参加者らと交流した。最後に福本氏が、「個では高みに到達する力を出せない。チームで、一緒に日本の矯正歯科を盛り上げていきましょう」と締めくくり、会は盛況のうちに幕を閉じた。