学会|2025年12月1日掲載
首都圏をはじめ全国各地から多数の会員らが参集
日本臨床歯科学会東京支部、2025年度第2回例会を開催
さる11月30日(日)、赤坂インターシティコンファレンス(東京都)において、日本臨床歯科学会東京支部2025年度第2回例会(日本臨床歯科学会東京支部主催、西山英史東京支部長)が開催された。会場には首都圏をはじめ全国各地から多数の会員らが参集、さらに企業展示も数十社を擁する盛会となっていた。
会場では冒頭、西山氏が挨拶。この4月に東京支部長に就任してからの活動を振り返りつつ、来年以降に向けた抱負を示した。その後、教育講演2題と一般講演3題が行われた。以下に演題および演者を示す(講演順)。
1)教育講演1「Shaping the Future of Dentistry -Why 3D Printing, Why Now?-」(吉田茂治氏、埼玉県開業)
2)教育講演2「デジタルワークフローにおけるラボサイドが必要とするデータ」(中村悠介氏、歯科技工士・東京都開業)
3)一般講演1「プロビジョナルレストレーションを用いて治療顎位を模索した症例」(目代 匡氏、東京都開業)
4)一般講演2「下顎位の偏位を伴う不正咬合に対しアライナー矯正と補綴修復治療を用いて咬合再構成を行なった症例」(小林豊明氏、東京都開業)
5)一般講演3「咬合崩壊を呈した骨格性II級症例に対して咬合再構成を行なった症例」(杉山達也氏、東京都開業)
今回の教育講演は、時宜に応じたデジタルに関する知識を知りたいという会員からの声に応えたもの。吉田氏はチェアサイドの立場からのデジタルワークフロー、なかでも3Dプリンターの活用法についてその原理から装置・材料選択や設計のコツに至るまで懇切ていねいに示した。また中村氏は、ラボサイドの立場から「歯科技工士が欲しいデータ」について解説。フェイシャルスキャンでは耳介も含めてスキャンすることや、口腔内スキャンでは咬合紙で印記した状態でもスキャンすることなど、チェアサイドとのコミュニケーションがより円滑に進むアイディアを多数示した。
また教育講演では、長年にわたり日本臨床歯科学会のコースでインストラクターとして活躍してきた茂野啓示氏(京都府開業、日本臨床歯科学会理事)を座長に迎え、気鋭3氏のケースプレゼンテーションが行われた。いずれも大規模なフルマウスリコンストラクションのケースであり、各演者が熟考した治療計画とその実践について、茂野氏をはじめとする先輩会員らが有意義なディスカッションを行った。
さらに当日のランチタイムには、同例会として2度目となる共催セミナー(ランチョンセミナー)も開催。フォレスト・ワン社の協賛のもとで、奥田浩規氏(兵庫県開業)が「前歯部インプラント治療を成功に導く最良のツール」と題して登壇した。