社会|2025年12月8日掲載
「今日からできる!医療ホワイトニングの正しい導入と臨床応用 ~貼付型ジェルシート(DENNOVATE)の臨床での活用~」をテーマにWeb講演
クインテッセンス出版株式会社、第81回WEBINARを開催
さる12月3日(水)、中島航輝氏(東京都開業)によるWEBINAR #81「今日からできる!医療ホワイトニングの正しい導入と臨床応用 ~貼付型ジェルシート(DENNOVATE)の臨床での活用~」(株式会社ヴァンクリーフ提供、向谷幸大代表取締役/クインテッセンス出版株式会社主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。
本Webセミナーは、中島氏らが執筆した『増補改訂版 わかる!使える! はじめての医療ホワイトニング』(2025年8月刊行)をもとに、医療ホワイトニングと非医療ホワイトニングの明確な違いから始まり、歯の色調を評価する方法、臨床で役立つポイント、最新製品の紹介まで、幅広いテーマが取り上げられた。
冒頭では、医療ホワイトニングと非医療ホワイトニングの根本的な違いが解説された。医療ホワイトニングは歯科医師または歯科衛生士が医療機器や薬剤を用いて、歯の内部まで薬剤を浸透させて色素を分解する処置で、非医療ホワイトニングは表面の汚れの除去にとどまり、内部の色調改善には至らない点が示された。また、ホワイトニングの歯の色調を評価する基準として、シェードテイキングは必須であり、以前は一眼レフ撮影が主だったが、今は動画で撮影する機会が増え、より多くの情報を患者と共有できるようになったと述べた。撮影時の注意点として、歯の見え方が光環境に大きく左右されることに触れ、撮影時の照明条件にも配慮すべきだと述べられた。
続いて、書籍の内容をもとに、歯が着色・変色する原因、歯を白くする方法、ホワイトニング前に確認すべき事項、禁忌症、処置のメカニズム、知覚過敏への対応についてそれぞれ紹介された。歯肉のホワイトニングであるガムピーリングについては、動画を用いて施術の流れが示された。
医療ホワイトニングの種類として、即効性が高く、その場で歯の白さを実感が得られるオフィスホワイトニング、緩徐に薬剤が作用することにより自然な歯の白さを得られるホームホワイトニングの違いが紹介された。中島氏は、後戻りがしにくく長期的に効果が得られる点から、ホームホワイトニングを推奨していると述べた。ホームホワイトニングについては、カスタムトレーに加えて、既成トレーも選択肢として増えているという。
ホームホワイトニングの既成トレーのなかでも注目製品として、株式会社ヴァンクリーフより2025年9月に発売された「DENNOVATE(ディノベート)」を取り上げた。本製品は室温保管が可能で、単回使用のため、衛生的に使用できる点が特徴だと述べた。使用手順は簡単で、パッケージを開けたあと、まず歯面をティッシュで軽く乾燥させる。その上でジェルシートを貼り付け、90分経過したら剥がすだけという、シンプルな流れになっている。ジェルシートは男性患者でも5番まで覆うことのできるサイズで歯面をしっかり覆い、噛んだ際にも破れにくい構造になっている。まれに装着時、唾液でシートがずれることもあるが、付け直して3分ほど指で押さえれば問題ないという実践的なアドバイスも示された。
さらに、ホワイトニング後の留意点として、着色しやすい飲食物の摂取を控える必要性が挙げられた。また、ホワイトニングは一度で完結するものではなく、後戻りを前提としたメインテナンスが不可欠で、オフィスホワイトニングの場合、1年に1回の来院、ホームホワイトニングでは薬剤追加のタイミングで型採りが必要になるケースがあるが、本製品はチェアタイムが不要で、1年に1回5枚お渡しするだけで済むため、医院側の負担軽減にも寄与する点が強調された。
多様なホワイトニングの方法が存在するなかで、医療ホワイトニングは非医療ホワイトニングとは異なり、科学的根拠に基づく安全性と確かな効果を得られることが本セミナーを通して改めて示された。
なお、本Webセミナーは無料で2026年3月3日(火)まで振り返り視聴が可能である。次回のWEBINAR #82は、2026年1月21日(水)に泉 英之氏(滋賀県開業)を招聘し、「全部断髄~不可逆性歯髄炎に対する新しい治療オプション~」をテーマに開催予定。今回の振り返り配信および次回WEBINARの申し込みはいずれもこちらから。