社会|2025年12月9日掲載

歯科医療の変革をテーマに治療術式やコンセプトの“進化と変化”が語られる

第12回 JUC発表会が開催

第12回 JUC発表会が開催

 さる12月7日(日)、電気ビル共創館みらいホール(福岡県)において、第12回JUC(Japan United Colleagues、馬場正英会長)発表会が「今、何が必要か 歯科医療の進化と変化」をテーマに約400名を集めて開催された。

 デジタルデンティストリーの普及も手伝って近年の歯科医療は加速度的に発展しており、治療方法の進化と変化は目覚ましいものがあるなかで、患者に対してすぐれた歯科医療を提供するという本来の目的を果たせているのだろうか。本発表会はこの歯科医療従事者たちの疑問を背景に、局所的治療と包括的治療にシンポジウムを分け、演者それぞれの得意とする分野にて発表が行われた。以下に演題と演者を列記する。

シンポジウム1「局所的治療における進化と変化」(座長:金成雅彦氏、山口県開業)
・「NiTiファイルの変化は歯内療法を進化させるか」花岡洋介氏(兵庫県開業)
・「インプラント治療に求められるコンセプトの変化」野地美代子氏(福岡県開業)
・「歯周組織再生療法の予知性を高めるDigital矯正の可能性」鈴木泰二氏(東京都開業)
・「局所的治療の“いま”―Change/Evolve(シンポジウム1総括)」村川達也氏(福岡県開業)

シンポジウム2「包括的治療における進化と変化」(座長:水上哲也氏、福岡県開業)
・「重度歯周炎の咬合再構成 ~ステージⅣグレードC~」服部俊嗣氏(佐賀県開業)
・「時代のニーズに応える矯正治療 ~進化する治療法と変化する環境~」森本昌孝氏(福岡県開業)
・「還暦GPの進化と変化 義歯編 ~経験と技術の融合による絶え間ない挑戦~」小山浩一郎氏(長崎県開業)
・「時代とともに歩む臨床のあり方(シンポジウム2総括)」林 美穂氏(福岡県開業)

 シンポジウム1では、一歯単位の歯内療法や歯周組織再生療法などの歯を残す試みと、一歯欠損に対する修復としての緻密なインプラント治療が語られ、聴衆にJUCの臨床力の高さを見せつけた。続くシンポジウム2では、包括的治療ということで重度歯周炎患者や、Ⅲ級で叢生の著しい患者、また不満を抱える総義歯着用者に対する骨太の症例が供覧され、好評を博した。

 上記以外には、中田 穰氏(広島県開業)によるランチョンセミナーも行われ、一日をとおしてこれからの歯科医療に求められる姿勢と展望を学ぶことができる充実の発表会となった。次回の第13回JUC発表会は、きたる2026年12月6日(日)に、同ホールにおいて開催される予定である。

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