学会|2025年12月16日掲載

「歯科審美の現在地」をテーマに、全国から約850名が参集

日本歯科審美学会、第36回学術大会を開催

日本歯科審美学会、第36回学術大会を開催

 さる12月13日(土)、14日(日)の両日、パシフィコ横浜ノース(神奈川県)において、日本歯科審美学会第36回学術大会(小川 匠大会長、小峰 太理事長)が開催され、年末にもかかわらず日本全国から約850名が参集する盛況となった。

 今回の大会テーマは「歯科審美の現在地 色彩美・形態美・機能美の調和と融合」。このテーマのもと、「アドバンストセミナー1 歯冠修復治療の現在地」、「アドバンストセミナー2 デジタル歯科治療の現在地」、「アドバンストセミナー3 矯正治療の現在地」、「アドバンストセミナー4 機能美の現在地」、「アドバンストセミナー5 インプラント治療の現在地」、「アドバンストセミナー6 レーザー治療の現在地」、「アドバンストセミナー7 ホワイトニング治療の現在地」、の7つのアドバンスセミナーが組まれたほか、特別講演、理事長講演&海外招待講演、市民公開講座、そしてポスターセッションなどが行われた。

 初日に行われた特別講演では、山﨑長郎氏と鈴木真名氏(いずれも東京都開業)が「複雑な歯周·補綴患者へのマネージメント」と題して登壇。山﨑氏による補綴治療と、鈴木氏によるペリオドンタルマイクロサージェリーを組み合わせたインターディシプリナリーアプローチで知られる2氏が、その1999年に始まる臨床の歴史を振り返りつつ、その相乗効果について供覧。マイクロサージェリーの利点と良好な予後について鈴木氏が文献と症例を交えつつ解説しつつ、山﨑氏が歯周組織にまで配慮した補綴治療について存分に語った。

 また、2日目に行われた理事長講演&海外招待講演では、小峰理事長(日本大学歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座)とDr.Markus B. Blatz(ペンシルベニア大学)が登壇。小峰理事長による演者紹介の後、Dr. Blatzが「The Cantilever Zirconia Resin-Bonded Bridge: Where, When, and How」と題し、主にジルコニアの接着について詳説した。「歯科は信じることではなく、エビデンスが重要である」「歯科医師には患者を治療するという特権があり、そこには責任がともなう」「なぜ?(Why?)という疑問が重要」という教訓をまず示したうえで、ジルコニアの長期にわたる接着について多数の論文とともに解説。自らが提唱する「APCコンセプト」(A:airparticle abrasion、P:zirconia primer、C:adhesive composite resinについても詳細に示し、各工程の要点について述べた。そのうえで、いまだに一部の層から疑問をもたれているジルコニアの接着について、「ジルコニアは接着できる!」と力強く締めくくった。

 なお、次回の日本歯科審美学会第37回学術大会は、きたる2026年10月31日(土)、11月1日(日)の両日、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都)において、日本歯科大学生命歯学部を主管校として開催予定とのこと。

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