政治|2025年12月24日掲載

令和8年度診療報酬改定、歯科はプラス0.31%

日歯、臨時記者会見を開催

日歯、臨時記者会見を開催

 さる12月24日(水)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、高橋英登会長)による臨時記者会見が開催された。本会見は、同日に政府が令和8年度診療報酬改定における改定率を決定したことを受けて開催されたもの。会場には太田謙司氏(日本歯科医師連盟会長)も出席した。

 高橋会長は冒頭の挨拶のなかで、診療報酬改定の本体がプラス3.09%となった結果については賃上げ分や物価対応分といった限定した対応が含まれているものの、一定の評価を示した。しかし、歯科医療提供体制における歯科材料の比重が大きい割合や、小規模歯科診療所が大多数を占めている歯科の特性について言及。「医療に活用できる改定財源がどの程度残るのかがこれからの命題である」と述べた。また、診療報酬改定に関する財源確保については、日本歯科医師連盟との連携が不可欠であり、各方面との調整や財源確保への支援ならび尽力に対して感謝の意を示した。

 次に、大杉和司常務理事より、本診療報酬改定について資料をもとに解説がなされた。大杉常務理事は、賃上げや物価対応は重要であるとの理解は示しつつも、「医療提供の本質である安心・安全で質の高い医療の推進、2040 年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携と、地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進等も不可欠であり、それらに活用できる財源が限られていることについては残念である」と述べた。また、「賃上げに関する方向性については中医協のなかで詳しく議論されていないが、日歯としてはすべての歯科医療機関にまんべんなく行きわたるような意見を出し続けていきたい」とし、「今後は、現在継続している診療報酬改定の議論に最後までていねいに取り組み、限られた財源を活用し期待に応えたい」と述べた。

 以下に今回の診療報酬改定率を示す。

1.診療報酬本体 +3.09%
各科改定率
※1 うち、※2~6を除く改定分 +0.25%
医科 +0.28%
歯科 +0.31%
調剤 +0.08%
※2 うち、賃上げ分 +1.70%
※3 うち、物価対応分 +0.76%(病院+0.49%、医科診療所+0.10%、歯科診療所+0.02%、保険薬局+0.01%)
※4 うち、食費・光熱水費分 +0.09%
※5 うち、令和6年度診療報酬改定以降の経営環境の悪化をふまえた緊急対応分 +0.44%(病院+0.40%、医科診療所+0.02%、歯科診療所+0.01%、保険薬局+0.01%)
※6 うち、後発医薬品への置換えの進展をふまえた処方や調剤にかかる評価の適正化、実態をふまえた在宅医療・訪問看護関係の評価の適正化、長期処方・リフィル処方の取り組み強化などによる効率化 ▲0.15%

2.薬価等
薬価 ▲0.86%
材料価格 ▲0.01%
合計 ▲0.87%
(注)令和8年4月施行(ただし、材料価格は令和8年6月施行)

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