社会|2026年4月6日掲載

南舘崇夫氏が「矯正歯科医の『目』はどこまで置き換えられるか」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第85回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第85回WEBINARを開催

 さる4月1日(水)、南舘崇夫氏(福岡県開業)によるWEBINAR #85「矯正歯科医の『目』はどこまで置き換えられるか」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演では、AIを活用した遠隔モニタリングシステムである「デンタルモニタリング」の活用がアライナー矯正治療とその経過観察にどのような影響を与えるのかについて、症例と文献的知見を交えながら解説がなされた。

 冒頭で南舘氏は、同システム導入の経緯について語った。マルチブラケット装置による治療では基本的に毎月の通院が必要である一方、アライナーによる治療では通院頻度が2〜3か月に1回であり、デンタルモニタリングの併用によってさらなる通院回数の削減が可能になると考えたという。

 続いて、デンタルモニタリングの基本的な概念について解説が行われた。デンタルモニタリングに必要なものは患者のスマートフォン、専用アプリ、撮影ツールの3つである。患者は週に1回、自身の口腔内を撮影し、そのデータはAIによってアライナーの不適合の有無などの解析結果とともに歯科医師に送られる。南舘氏は「これにより遠隔経過観察が可能となり、来院は『診察』から『確認』へと役割が変化する」と述べた。また、従来の来院間隔では把握できなかった治療経過を詳細に追跡することが可能となり、結果として来院頻度の低減と質の高いモニタリングの両立が図られるとした。

 南舘氏はデンタルモニタリングに対する自身の認識の変化についても言及し、術者の習熟度が低い段階や難症例では対面診察が不可欠であり、単純な効率化のみを目的とした運用には限界があると述べた。現在は、デンタルモニタリングを単なる遠隔経過観察のツールではなく、歯の移動過程を高頻度かつ高精度で可視化する「顕微鏡」のようなツールとして位置づけているとした。デンタルモニタリングを用いた実際の症例や一定の文献的エビデンスが蓄積されている現状についても示した。

 最後に南舘氏は、デンタルモニタリングは治療期間を短縮する「加速装置」のようなものではなく、治療の質を向上する「安全装置」であると総括した。

 なお、本Webセミナーは無料で2026年7月1日(水)まで振り返り視聴が可能である。今回の振り返り配信、他のWEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。

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