社会|2026年8月12日掲載

質の高いアライナー矯正治療および認証制度の準備状況について語る

ABAO Team Orthodontics Forum 2026開催

ABAO Team Orthodontics Forum 2026開催

 さる8月8日(土)、ワテラスコモンホール(東京都)において、「ABAO Team Orthodontics Forum 2026」(一般社団法人アライナー矯正認証協会〔ABAO〕主催、賀久浩生会長)が現地およびWeb配信にて開催され、会場には歯科医師や歯科衛生士ら約100名が参集した。同協会はアライナー矯正治療の質を確保するために、治療技術の標準化と社会的信頼の確立を設立主旨としている。

 冒頭、ABAO会長の賀久氏(東京都開業)が開会の挨拶を述べた。賀久氏は参加者への謝意と開催の喜びを伝え、本フォーラムをアライナー矯正治療に関する悩みや工夫を共有する場にしたいと述べた。

 午前は「アライナー矯正ならではの難しさとメカニクス」をテーマにプログラムが組まれ、成人矯正を扱うPart1では、佐本 博氏(東京都開業)と久保田 衛氏(宮城県開業)が登壇した。佐本氏は非抜歯治療を中心に、治療計画用ソフトウェアに十分反映されない臨床的なバイオメカニクスを考え合わせる必要性について、久保田氏は小臼歯抜歯症例における歯根のコントロールとアライナー適合の重要性について解説した。小児矯正を扱うPart2では、山本昌宏氏(兵庫県開業)と竹内敬輔氏(愛知県開業)が、Ⅰ期治療の目的とⅡ期治療に向けてどこまで介入すべきかについて症例を交えて講演した。インハウス・ダイレクトプリントアライナーを扱うPart3では、平岡孝文氏(東京都開業)が治療途中でも迅速に再設計・製作できるインハウスアライナーの特徴を、アウトソーシングアライナーとの比較をつうじて解説した。また間所 睦氏(東京都開業)は、アライナー材料に見られる応力緩和や口腔内スキャンで生じうる実際の咬合との誤差など、デジタル治療計画と実際の臨床との間に生まれるギャップとそれを考慮した治療コンセプトの必要性について解説した。

 午後は「チームであげるアライナー治療のクオリティ」をテーマに、賀久氏による基調講演に続き、穴沢有沙氏(歯科衛生士、株式会社Blanche)がファシリテーターを務め、齋木夏子氏(歯科衛生士、東京都勤務)、竹内桃加氏(歯科衛生士、大阪府勤務)、岡村美佐子氏(トリートメントコーディネーター、東京都勤務)、吉田美由希氏(トリートメントコーディネーター、大阪府勤務)によるセッションが行われた。それぞれが勤務する医院の初診時のワークフローや役割分担、コンプライアンスが不良な患者への対応方法などについて意見交換がなされた。セッション後は、渡辺由真氏(歯科衛生士、東京都勤務)が「デンタルモニタリング実践」と題して、遠隔経過観察システムを院内で効率的に運用するための自院の取り組みを紹介した。

 最後に、「クオリティをどう見極めるか」をテーマに、有本博英氏(大阪府開業)がEBAO(European Board of Aligner Orthodontics)の認証試験を受験した経験を報告したうえで、本協会で実施予定の認証試験の内容および予定について説明した。同認証試験の作成・解答方法については、同協会学術顧問の浜中 僚氏(米国・Universal Orthodontic Lab)がビデオ講演にて説明し、学科試験を合否判定だけではなく学習促進の機会と位置づけ、症例審査と組み合わせるといった構想を述べた。

 第1回認証試験の予定として、本年9月に募集を開始し、10月上旬に学科試験を実施する予定が示された。学科試験の合格者は2027年1月4日(月)までに症例を提出し、口頭試問を経て、同年2月の合格発表を目指すとした。さらに、2027年10月21、22日(木・金)には、同協会の海外アドバイザーらも参加する国際大会を開催する計画が示された。

関連する特集