企業|2026年8月26日掲載
受賞者によるWebセミナーも配信開始
歯科技工登竜門2026、受賞者決まる
さる3月15日(日)、株式会社モリタMDSC OSAKA(大阪府)において、歯科技工登竜門2026の授賞式とWebセミナーの収録が行われた。これは、全国から多数のエントリーを集め、2025年12月に応募が締め切られた歯科技工コンテスト「歯科技工登竜門2026」(株式会社モリタ主催、森田晴夫代表取締役社長)の受賞者がこのたび決定し行われたもの。
「歯科技工登竜門」は、次世代の日本の歯科技工士をバックアップしたいという趣旨でモリタ社が主催してきたもので、これまでにも多数の歯科技工士が審査を勝ち抜いて受賞し、歯科技工士としてはもちろん、執筆者・講演者としての道を拓いてきた。
10年ぶりの開催となる今回は、「ポーセレンビルドアップ部門」「ジルコニアモノリシック部門」「3Dプリントデンチャー部門」「CADデザイン部門」の4カテゴリーで募集。審査員には伊原啓祐氏(i-Dental Lab)、佐藤幸司氏(佐藤補綴研究室)、藤松 剛氏(S.T.F)、増田長次郎氏(カロス)、山田和伸氏(カスプデンタルサプライ/カナレテクニカルセンター)(いずれも歯科技工士、50音順)を招き、厳正なる審査の上で受賞者が決定した(CADデザイン部門は該当者なし)。
以下、受賞者名と受賞カテゴリー、およびモリタ社が受賞者講演として配信するセミナーの演題と概要を示す(順不同、受賞者はすべて歯科技工士)。
1)ポーセレンビルドアップ部門賞/審査員特別賞 受賞「色調再現のアプローチ」齋藤道拓氏(小川製作所)
本演題では、(1)モノリシックジルコニアステイン法、(2)色調再現のアプローチ、(3)自身の効率的かつ再現性の高い手法、の3パートに分けてセラミックスの色調再現のポイントを解説。(1)では、昨今の歯科技工をめぐる環境から自社のセラミックワークの9割近くがジルコニアモノリシックになっていることを示し、ジルコニアと従来の長石系セラミックや二ケイ酸リチウムとの特性の違い、そしてモノリシックであっても従来のポーセレンビルドアップの知識が重要になることを示した。また、学生時代からこれまでに製作してきた石膏カービングやセラミックスのサンプルについても多数供覧し、日頃からの鍛錬の重要さを示した。(2)では、湯浅直人氏(大谷歯科クリニック)が提唱するEAE(Exposure Adjusting Equipment)を用いた画像合成試適法について主に解説。つねに実際の目標歯を傍らに見ながら、答え合わせをしながら色調を決定できる利点を示した。そして(3)では、前歯部ジルコニアセラミックスの3症例を供覧。変色支台歯や明度の高い目標歯に対する対応について示した。
2)ジルコニアモノリシック部門賞 受賞「デジタルティッシュスカルプティングを用いた接着ブリッジ症例」安田修平氏(アップルデンタルラボ)
本演題では、(1)デジタルティッシュスカルプティングについて、(2)接着ブリッジの利点・欠点、(3)ジルコニア接着ブリッジの優位性、について解説。(1)のデジタルティッシュスカルプティングは、佐藤洋平氏(神奈川県開業)が考案した、プロビジョナルレストレーションによるティッシュスカルプティングから最終補綴装置形態決定までをデジタル技術を応用して行う術式の名称。ここでは、本法の解説や、各種ポンティック形態についての解説がなされた。そして(2)では、接着ブリッジの利点・欠点について文献とともに示した。そして(3)として、下顎前歯部症例と上顎前歯部症例の2症例を供覧。歯科医師と歯科技工士とのコミュニケーションのもとで行ったポンティック部の骨削合にはじまり、CADソフトウェア上でのフレームデザイン、マテリアルセレクション、ポーセレンビルドアップおよびステイニング、そして装着用のポジショニングジグの製作に至るまで詳細に示した。
3)3Dプリントデンチャー部門賞 受賞「歯肉形態のカットバックを行わない3次元プリント有床義歯」石川航生氏(やまざき歯科医院)
本演題では、昨年12月に保険適用となりますます話題となっている3Dプリント義歯について、(1)なぜデジタル義歯?、(2)デジタル義歯の大まかなワークフローの説明、(3)プリント‐ミリングの違いとは、(4)臨床ケースを交えて解説、(5)プリントを成功させるためのポイント、の5パートに分けて解説。(1)では、今後の歯科技工士人口の減少や省力化の必要性と3Dプリント義歯のニーズについて示した。(2)では、模型のスキャンから設計、プリント・仕上げに至る工程を概説した。(3)では、ミリング法と3Dプリント法による義歯製作の比較を行い、現在の3Dプリンターであればコスト・精度ともに満足のいくものが製作できることを示した。(4)では、唇頬側の歯肉部をカットバックして義歯床を設計し、プリント後にコンポジットレジンを築盛して歯肉形態を付与する方法よりも、あらかじめCAD上で歯肉形態を設計した上で歯肉色レジンでプリントしたほうが剥離のリスクもなく合理的であることを示した上で症例を供覧。83歳の無歯顎患者の症例を基に、印象採得から設計、試適用義歯から最終義歯に至るまでの過程を詳説した。そして(5)では、造形時のサポートの立て方や造形テーブル上での位置づけのコツ、またプリント用インクや作業環境の温度管理など、すぐに役立つ知識を伝えていた。
上記の動画はモリタ社Webサイトにて2027年1月23日まで公開中。また、モリタ社ではきたる2027年1月24日(日)、東京ポートシティ竹芝ポートホール(東京都)において、モリタ歯科技工フォーラム2027 in TOKYOを開催予定とのこと。