社会|2026年9月4日掲載
主催者を代表し、菊谷 武氏による講演が行われる
食べるを支える研修会2026、「思いに寄り添う」をテーマに開催
さる9月1日(火)、小金井宮地楽器ホール(東京都)において、食べるを支える研修会2026(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック主催)が、「思いに寄り添う」をテーマに開催された。
本会は、同クリニックが2012年に開院して以来毎年行われているイベントで、地域の医療・介護従事者との関係構築を重視する同クリニックの考えから、拠点である小金井市にて開催されている。本年度は3回の開催が予定されており、第1回は菊谷 武氏(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長)が「食べることが困難になった人に対して私たちができること」をテーマに講演した。
氏は、高齢者歯科特有の構造として、治療から期待できるベネフィットとリスクに十分なエビデンスがないこと、ベネフィットとリスクに対する価値判断が、患者本人、家族、医療・ケア提供者それぞれの立場によって異なりやすいことなどがあるとした。
また、訪問歯科が介入しているにもかかわらず、必要な歯科治療が実施されていない現状についても言及し、訪問歯科における諸問題について「われわれ歯科医療者の責任やあり方を振り返らなければならない」と述べた。
さらに、義歯や不良補綴装置の誤飲や誤嚥が多発していること、介護現場などにおける窒息事故の請求容認率(訴えられた側が負ける確率)が50%以上で、損害賠償額は400万~4,800万円と高額であることなど、最新の研究結果から引用しつつ、多角的な視点で問題を提起した。
最後に、「食べることを支えることは、支える人を支えることでもある」と述べ、口腔の健康を守る歯科医師・歯科衛生士にとって、多くの学びと気づきを得る実りある研修会となった。
なお、きたる2026年12月3日(木)に第2回「ミールラウンド 食べるを観る、診る、看る」、きたる2027年2月25日(木)に第3回「子どもの食べる機能の障害とハビリテーション」をテーマに、実践的な知識や技術の習得を目的として開催される予定である。