社会|2026年8月31日掲載
一般歯科診療から専門医療へつなぐ受診勧奨支援の仕組み構築を目指す
大阪大学、AIを用いた口腔粘膜疾患の早期発見支援研究を社会実装へ
さる8月4日(火)、平岡慎一郎氏(大阪大学歯学部附属病院口腔外科1〔顎顔面口腔外科学講座〕)らの研究グループは、人工知能を用いた口腔粘膜疾患の早期発見支援研究が、プログラム医療機器「口腔粘膜画像解析システム Mucosight AI」として製造販売承認を取得し、社会実装の段階に進んだことをプレスリリースにて発表した。
本研究開発は、大阪大学が研究開発および知的財産の面で中心的な役割を、NVIDIA合同会社(日本法人、大崎真孝代表)がAIモデル開発の技術的知見と計算環境の支援を、株式会社モリタ東京製作所(小倉 誠代表取締役社長)が医療機器としての製品化・薬事対応・製造販売を担うという、三者の役割分担のもとで実現したもの。
初期の口腔がんや口腔潜在的悪性疾患は、口内炎や良性疾患と見分けることが難しい場合がある。特に一般歯科診療の現場では、口腔粘膜疾患を日常的に経験する機会が限られるため、専門医への紹介判断に迷う場面があり、発見が遅れると重症化する課題が挙げられる。
本システムは、一次歯科医療機関で撮影された口腔内画像を解析し、口腔がん、白板症、良性腫瘍、口内炎の特徴を有する所見を対象として、高次医療機関への受診勧奨の要否判断を支援する所見情報を提供する。なお、本システムは診断を代替するものではなく、最終的な診断は歯科医師または医師が行うとのこと。
今回、承認されたことで、大学発のAI研究が産学連携と多施設共同研究をつうじて、歯科口腔外科領域における新たな診療支援の仕組みとして社会実装へ進むことになった。本システムが適切に活用されることで、口腔粘膜疾患に不慣れな歯科医師の判断を支援し、必要な患者さんを高次医療機関へつなぐ体制の強化が期待される。
今後の展開としては、口腔外科専門医による診療体制の整備と地域歯科医療機関との連携の強化を行い、口腔粘膜疾患の早期発見支援に関する診療ネットワークの構築を目指すとしている。また、8月下旬より国内販売会社よりサービス提供を開始予定とのこと。
大阪大学のプレスリリースはこちらから。