目次
はじめに
1.M.T.M.の定義
2.M.T.M.の位置づけ
3.M.T.M.と全体的矯正治療の相違
4.成人矯正治療と小児の矯正治療の相違
5.M.T.M.の治療目標をどこにもってゆくか
6.M.T.M.の適応症
7.M.T.M.の診断ならびに治療計画の樹立
8.M.T.M.の診断法
9.M.T.M.の治療計画の樹立に際して注意すべき事項
10.M.T.M.で用いるForce system
Module 1:離開空隙の閉鎖法
Module 2:空隙を作る方法
Module 3:叢生を改善する方法
Module 4:前傾した前歯の改善法
Module 5:念転歯の除去法
Module 6:臼歯部の除去法
Module 7:未萌出歯や残根歯などの牽引誘導法(挺出モジュール)
11.M.T.M.の臨床例とそのなおし方
case 1:中切歯部の正中離開と側切歯の舌側転位の症例。
関連臨床例 症例(下顎歯列弓の正中離開の改善及び水平的なレベリングの症例)
case 2:正中離開、上顎右側側切歯舌側転位、上顎左側側切歯捻転を伴う症例。
case 3:上顎側切歯の先天欠如のため中切歯犬歯間に空隙の存在している症例。
関連臨床例 症例(上顎中切歯一本が埋伏歯で歯根が湾曲しているためにすでに抜去され、そのスペースを確保すると同時に前歯反対咬合の改善を行なった症例)
case 4:下顎第2小臼歯の舌側転位の症例、そして犬歯、第1小臼歯間には多少の空隙があるが、第2小臼歯を唇側移動するには不足している場合。
関連臨床例 症例(最終未処置を単冠による補綴として仕上げるためにhemi-sectionをした大臼歯根を歯根移動した症例)
症例(上顎第2小臼歯の喪失により第1小臼歯と犬歯間に空隙が生じ、これに対して第1小臼歯を近心移動させ上顎第1小臼歯、第1大臼歯根のbridge workにより第2小臼歯の咬合を回復した症例
case 5:case 4と類似している症例であり下顎第2小臼歯の舌側転位に捻転を伴う症例である。そしてしかも第2小臼歯の頬側移動、捻転の改善に必要な空隙は不足している症例である。
case 6:下顎犬歯より反対側犬歯にわたる中程度の叢生症例で、しかも叢生を除去するに必要な空隙が存在していない症例で顎関係に異常のない場合。
関連臨床例 症例(下顎前歯部の叢生捻転のM.T.M.)
case 7:上顎前歯が前傾し、上顎前歯部に空隙が存在している症例。
関連臨床例 症例(歯周疾患を有する上顎前歯の離開症例)
case 8:case 7と同じ上顎前歯が傾斜していて歯間離開を生じている症例で、患者の社会的理由により唇面にbracketsを接着できない場合。
case 9:上顎中切歯部の対称捻転、犬歯の捻転、小臼歯・大臼歯の対称捻転の症例
case 10:下顎第2小臼歯の欠損のため下顎第1大臼歯の近心傾斜下顎第1小臼歯の遠心傾斜を生じ下顎犬歯・第1小臼歯間に空隙が生じている症例(小臼歯、大臼歯のUprighting)を行なう症例)。
関連臨床例 症例(口腔内の歯牙素材の状態がきわめて悪く、下顎左側第2大臼歯のmolar uprightを義歯に拡大ネジを組み込むことによって行なった症例)
case 11:下顎第1臼歯欠損のため下顎第1、第2小臼歯が遠心傾斜して下顎第1、第2小臼歯間に空隙が生じさらに上顎第1大臼歯が挺出し、上顎第2大臼歯は頬側に転位し、下顎第2大臼歯は逆に舌側転位している症例である。従って、歯牙移動は上下顎に及ぶ症例である。
関連臨床例 症例(埋伏している複数の側方歯群を牽引誘導し咬合回復を子なった症例)
症例(残痕状態の上顎大臼歯の垂直的挺出を行なった症例)
症例(埋伏上顎犬歯の牽引誘導の症例)
M.T.M.矯正治療で陥やすいあやまり
おわりに