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2014年11月22日

宮崎在宅医科歯科連携学術講演会開催

200名以上の医療・介護・福祉従事者が参加し大盛況となる

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 さる11月22日(土)、シーガイアコンベンションセンター(宮崎県)において、宮崎在宅医科歯科連携学術講演会(宮崎市郡歯科医師会、宮崎キュアケアネットワーク、昭和薬品化工株式会社共催)が開催され、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・歯科衛生士・ケアマネジャーなど、200名以上の医療・介護・福祉従事者が参加して大盛況となった。

 相馬 博氏(宮崎市郡歯科医師会会長)による挨拶のあと、牛谷義秀氏(医師・クリニックうしたに院長)による「地域包括ケアと多職種連携~現状とこれからの課題~」と題する講演が行われた。牛谷氏は多数のスライドをもとに、宮崎の在宅医療の現状と地域包括ケアシステムの構築に向けて、宮崎市が目指す「宮崎市医療提供体制将来構想」について詳説しながら、在宅医療が機能するシステムづくりの大切さを強調。また、65歳以上の人口10万人あたりの有料老人ホーム定員数が全国1位といったデータを供覧し、在宅医療を提供するマンパワー不足や多職種連携不足の課題を挙げるとともに、その課題解決に向けた宮崎市郡医師会の取り組みを紹介した。

 続いて、古屋 聡氏(医師・山梨市立牧丘病院院長)による「整形外科医からみた口腔ケアの重要性」と題する講演が行われた。古屋氏は、胃ろうとなっていた患者さんが歯科衛生士の口腔ケアによって経口摂取が可能となったことをきっかけに、現在のように「口」を通じた多職種連携に取り組むことになったことを紹介した。また、東日本大震災の発生直後から現在もなお継続している宮城県気仙沼・南三陸における支援活動や「口から食べる」ための地域連携についても言及し、医師から発信される口の大切さに参加者は熱心に耳を傾けていた。

 その後、中久木康一氏(医歯大大学院医歯学総合研究科顎顔面外科学分野助教)による「大規模災害に備えるための地域保健医療体制の構築」と題する講演が行われた。中久木氏は、災害の備えについて平時からの準備の必要性を挙げるなかで、地域連携や地域包括ケアの整備が災害時の対応に結びつくことを指摘。また、災害時における歯科の役割や災害対策をきっかけとする地域連携の強化など、平時からの人とのかかわりが大切であると強調し、古屋氏と同様、東日本大震災の発生直後から現在もなお継続している宮城県女川町を中心とする支援活動も紹介した。

 それぞれの立場から示唆に富んだ内容が披露されたことで、講演終了後には多職種がそれぞれの立場で意見や名刺を交換する姿が多く見られるなど、本講演会は顔の見える関係づくりの一助となっていることがうかがえた。