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2016年12月11日

赤坂会、2016年度忘年特別講演会を開催

世界におけるデジタルインプラントソリューションの最前線が語られた一日

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 さる12月11日(日)、品川シーズンテラスカンファレンス・ホール(東京都)において、スタディグループ赤坂会 2016年度忘年特別講演会(高田貴虎会長、寺西邦彦顧問)が、Marcus Dagnelid氏(スウェーデン開業)を特別講演演者として招聘し、盛大に開催された。

 オープニングでは、本会顧問の寺西邦彦氏(東京都開業)が登壇し、自身のインプラント治療遍歴と実際の症例を振り返った。そして「今日、インプラント治療の残存率が高いことは認識されているが、力学的な合併症は依然として多い」と述べ、慎重かつ着実な治療の重要性を強調した。また、今後のインプラント治療は、適応症の拡大、シンプルな術式と埋入トルクのコントロール、長期安定性の向上、デジタルデンティストリーによるトータルソリューションがより進んでいく、との展望を述べた。

 続いては、世界における最新のデジタルソリューションに精通したDagnelid氏が登壇。冒頭で「デジタルデンティストリーが発展しても、コンサバティブな治療技術の重要性は認識しておくべき」とのメッセージを述べ、当該治療発祥の地であるスウェーデンにおけるインプラントの歴史についての解説から講演を開始した。

 その後、Dagnelid氏はASTRA TECH 社の新たなインプラントシステム(Evolution)およびデジタルインプラントソリューションの特長について詳説。まずはショートインプラントの有効性などについて述べ、その適応症の拡大により、より多くのサイナスリフトの合併症リスクを回避できることを強調した。また、部分欠損症例、先天性欠損症例、無歯顎症例などを供覧しながら、CAD/CAMを応用したインプラント補綴製作の有効性について詳説。スクリューリテインの優位性や、各種アバットメント(チタン製、ジルコニア製など)の特性について解説した。

 講演後のディスカッションでは、骨造成の適応症、インプラント補綴連結・非連結についてなど、熱のこもったさまざまな質問がなされ、Dagnelid氏が丁寧に答える姿が印象的であった。おおいに盛況を博した本会が、来年以降もさらなる充実した展開を見せることを予感させる一日となった。