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2007年10月6日

日本外傷歯学会、第7回総会・学術大会を開催

外傷歯の亀裂、破折歯治療には避けて通れない「接着」がメインテーマ

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 さる10月6日(土)、7日(日)の両日、愛知学院大学歯学部楠元学舎110周年記念講堂(愛知県)にて第7回日本外傷歯学会総会・学術大会(中村洋大会長、愛知学院大教授)が開催された。本学会は歴史としては浅いものの、近年の外傷歯治療が抜歯から保存に転換されてきた背景もあり、また、本年から認定医制度も始まったことから、その重要性は増してきている会の1つである。そうしたなか、今回は外傷歯の亀裂、破折歯治療には避けて通れない「接着」をメインテーマに開催された。
 初日には、「特殊性を活かした効果的な接着」と題し、小園凱夫氏(九歯大教授)による特別講演が行われた。氏の講演は、リン酸亜鉛セメントから接着性レジンセメントへ、またプライマー処理の出現などの歴史的変遷を解説した後、レジン系セメントとMMA系セメントの比較データを提示しながら、材料の選択、そのよりよい操作法を提示するものとなった。
 さらに、2日目にはシンポジウム「保存の可否を巡る診断、保存療法への接着の応用」(モデレーター、千田彰愛知学院大教授)が行われ、歯科放射線学分野から有地榮一郎氏(愛知学院大教授)、口腔外科学分野から今井隆生氏(さくら病院歯科口腔外科部長)、小児歯科学の分野から宮新美智世氏(医歯大助教)、歯科保存学分野から林美加子氏(阪大講師)、病理学分野から前田初彦氏(愛知学院大教授)の5名が登壇。各々の立場から外傷歯と接着を語り、樹脂含浸層をはじめとする接着の概念が本邦から発信されていることも含めて、外傷→接着→保存のさらなる啓蒙を促すものとなった。
 なお、2日間にわたった一般講演も19題披露され、破折歯のCTによる診断、歯牙保存液の検討、ケースプレゼンテーションなど、多岐の内容が報告された。