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2021年3月21日

女川歯科保健チーム、活動報告会を開催

東日本大震災から10年、女川町の歯科保健医療活動を振り返る

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 さる3月21日(日)、女川歯科保健チーム(木村 裕代表)による活動報告会「女川町における10年間の歯科保健医療活動」がオンラインで開催された。本報告会は、東日本大震災から10年を迎え、女川や災害時の歯科にかかわりのある関係者を中心に約50名が参加した。

 開会後、震災直後から女川町の歯科支援活動にかかわり続けている中久木康一氏(医歯大大学院医歯学総合研究科顎顔面外科学分野助教)による司会・進行のもと、5名の関係者による報告が行われた。

 まず、木村 裕氏(宮城県開業)による講演「震災後10年を振り返って」では、2011年3月11日に発生した東日本大震災の状況について多くの写真とともに回顧。自院が全壊・被災しているなかで歯科保健医療を継続してきたことや、中久木氏をはじめとする多くの歯科医療関係者やボランティアの支援によって現在の歯科診療所が立ち上げられたことに対してあらためて感謝の意を示した。

 続いて、田守未来氏(女川町保健センター)による報告「女川町における歯科保健事業の展開」では、震災後に入職してから現在に至るまでに、乳幼児歯科健診やフッ化物洗口事業、子育て歯科相談会など、さまざまな歯科事業を展開してきたことを紹介した。
 
 また、中久木氏、海津早苗氏(歯科衛生士)、尾形 藍氏(歯科衛生士)による報告「女川町における歯科保健活動への参加」において、中久木氏は女川町にかかわるようになった経緯について著した『繋ぐ』(クインテッセンス出版刊)を紹介しながら、支援のあり方や地域連携を強化するための地域包括BCP(事業継続計画)の考え方を示した。
 
 その他では、遠方からの中長期的支援として渡邉充春氏(大阪府開業)、西本美恵子氏(NPO法人ウエルビーイング)による報告や関係者による指定発言も行われるなど、継続的に支援し続ける関係者らが一堂に会する盛会となった。