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2010年12月16日

日歯、年内最後の定例会見を開催

口腔ケアのあり方に関する現時点での見解を示す

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 さる12月16日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、大久保満男会長)による定例記者会見が開催された。

 冒頭の挨拶のなかで大久保会長は、さる11月に成立した改正保険業法について言及した。本改正によって、現行の共済事業のまま一般社団法人に移行することは可能になったものの、公益認定を受けるための公益認定基準では、公益目的事業比率が50%以上でなければならない。しかし、日歯の福祉共済・年金事業ではその比率に及ばないため、公益認定のハードルは高いとしている。大久保会長は、「日歯は会員の会費で公益事業を行っている。福祉共済事業をたんに公益性がないと一方的に決められてしまうことはきわめて遺憾」と、公益法人制度改革については引き続き対応していくとともに、公益社団法人を目指す方針に変わりがないことを強調した。

 続いて、柳川忠廣常務理事より「多職種連携による口腔ケアのあり方に関する現時点での見解(素案)」が示された。近年では口腔ケアの重要性が広く認識され、多くの病院や介護施設などで口腔ケアが実施されるようになってきているが、一般的な口腔ケアと歯科医師や歯科衛生士が行う専門的な口腔ケアが同等に扱われることもあるため、歯科医療従事者からは危惧する声もある。柳川常務理事は「われわれが行う口腔ケアは歯科治療と一体化したものであるが、広範囲に広がってきた口腔ケアをさらに普及につとめることが大切」とし、一般的な口腔ケアとの違いについては、ガイドラインなどが必要となることから日本歯科医学会内に検討会を設置し、来年中に歯科のガイドラインを策定する予定とのこと。大久保会長は「われわれの領域を線引きする必要はあるが、高い塀(口腔ケアの普及に障害が及ぶ)をつくるつもりはない」と述べた。

 そのほかには、柳川常務理事より12月2日付けで日本歯科医師会災害時対策・警察歯科総合検討会議(浅野紀元委員長)より答申書が出され、あわせて「大規模災害時の歯科医師会行動計画」(製本版)がまとめられたことが報告された。また、稲垣明弘常務理事より、ビスフォスフォネート(BP)系薬剤の使用にともなう顎骨壊死の対応について、投与患者の歯科治療について安全対策などを示したQ&A方式のパンフレットを日本医師会とともに作成したことが報告された。