2024年8月号掲載
第7話:歯周病専門医の育成と適正数を考える(前編)
※本記事は、「新聞クイント 2024年8月号」より抜粋して掲載。
日本歯周病学会に期待される国民の口腔保健向上への貢献
日本歯周病学会は、1958年に歯周病を克服することで生涯自分の歯を1本でも多く保つことを目的に設立された学術団体であり、日本歯科医学会(住友雅人会長)内部に設置された25の専門分科会と21の認定分科会のなかでも2番目に多い会員総数12,598名を擁する専門分科会です(2024年3月31日現在)。歯周治療は、歯科臨床のなかでもスタンダードな治療として大多数の歯科医師が行う治療であるがゆえに、「歯周病専門医は難度の高い歯周治療を専門とするスペシャリスト」のような印象を抱くかもしれませんが、それだけではありません。
本学会の定めた専門医の理念は、「歯周病予防教育の実践を通じた啓発活動を行うこと」や「地域歯科医療に積極的に参加し、国民の口腔保健と全身の健康増進に貢献すること」、そして「歯周治療に対する専門的技術や知識を有し他の医療関係職種も含めてチーム医療を実施すること」などです。けっして、高度な歯周治療を行えることがすべてではないのです。この理念は、1989年に本会の認定医制度発足から約35年(専門医として厚労省に届出が受理されたのは2004年)が経過しますが、基本的な考え方は発足当時から変わらず受け継がれています。