さる3月24日(日)、株式会社ヨシダ本社(東京都)において、SBC(Surgical Basic Course、青井良太代表)の第1回総会がSBC受講者100名以上の参加者を集めて開催された。2009年に立ち上げられ、本年5月からのコースが第9期目を迎えるというまだ若いコースの初めての総会。代表の青井良太氏(東京都開業)を含めて、講師陣、受講生ともに年齢層が若く、活気にあふれた大会となった。
本大会で行われた会員発表8題(うち歯科衛生士による発表2題)は「CLUB SBC活動報告」の1題を除いて、いずれもコースで習得した歯周外科処置がからむケースプレゼンテーション。天然歯およびインプラントのlongevityを獲得するためには、まず歯周環境を整えておかなければならないという考えに則ったもの。最後に代表の青井氏による導入編の講演後、本大会のメインともいえる渋澤龍之氏(東京都開業)による講演「Be on the same page」が行われた。
講演のタイトルどおり「Be on the same page(同じ理解のもとで、共通のゴールをめざして)」日常臨床でinterdisciplinary approachを実践している2人のケースが披露された。青井氏は欠損補綴への対応に自家歯牙移植や矯正治療を適応することも多く、渋澤氏に矯正治療でスペースを確保してもらった後に自家歯牙移植を施したり、歯周外科処置で口腔内環境を整えてから(longevityのために)矯正治療を行ったり、さまざまな条件別に合わせた対応法が披露された。さらに矯正治療が必要な症例で、根面被覆などの処置を合わせて行う場合、Millerの分類をよりどころに、先に矯正治療を行うか、根面被覆を先に行うかを厳密に分類して対処しており、良好な結果を得ているという。
SBCは歯周形成外科のベーシックな部分に特化したコースであるので、若手臨床家が多いのかもしれないが、よく教育されていて、基礎知識的な部分はかなり習得されている。また、スタッフとともに参加できるコースであるので、歯科医院自体のボトムアップにかなり貢献しているのでは、という印象を受けた大会であった。