学会|2026年6月15日掲載
「全身疾患と口臭」をテーマに
日本口臭学会第17回学術大会が開催
さる6月13日(土)、6月14日(日)の両日、新横浜歯科衛生士・歯科技工士専門学校(神奈川県)において、日本口臭学会第17回学術大会が「全身疾患と口臭」をテーマとして開催された(2026年6月22日から7月10日までオンデマンド配信を予定)。
2日間をとおして、特別講演1題、シンポジウム1題、スペシャルレクチャー1題、教育講演2題、共催ランチョンセミナー2題、一般演題7題など、多数のプログラムが設けられた。
スペシャルレクチャーでは、豊福 明氏(東京科学大学大学院医歯学総合研究科全人的医療開発学講座教授)が「口臭症の国際分類の誕生秘話」と題して講演を行った。1999年に公表され、自身も作成に携わった「口臭症の分類」がつくられた経緯や、口臭恐怖症と呼ばれる病態に対する考え方の変遷などを解説。口臭症の分類が発表された背景には政治的な側面もあったとして、他分野との整合性や推奨される治療の実態などに鑑みると、現在は改良の余地があるのではないかと結論づけた。
教育講演1では、「腎臓と口腔のクロストーク:歯科・腎臓専門医連携に向けて」と題して小松康宏氏(東京女子医科大学医療安全科特任教授)が講演。腎臓病専門医として腎臓病と透析医療の現状や腎機能の評価法などを解説した他、腎臓病患者における口腔管理の重要性を強調した。全身疾患に起因する口臭というと、よく挙げられるのが糖尿病とがんであるが、腎臓病患者においても特徴的な口臭が認められる。歯周炎および腎臓病は相互に病態を悪化させる関係にあり、加えて腎臓病患者および透析患者は増加傾向にあることから、これらの患者の適切な口腔管理も非常に重要であるとした。また、介入のきっかけになるのが「口臭」で、そのアプローチから口腔管理へとつなげていくのが望ましいとした。
また教育講演2では、「口臭と医科歯科連携」の演題で、植草康浩氏(千葉大学災害治療学研究所客員准教授/医療法人社団千秋双葉会統括院長)が登壇。氏は歯科医師と医師のダブルライセンスをもち、現在はおもに耳鼻咽喉科医として活動しているが、歯科医師としての勤務経験もある。その立場から、歯科医療者に知っておいてほしい鼻咽腔疾患に関する知識や、医科への紹介状の書き方のポイントなどについて解説した。医師は歯科のことをほとんど知らないことを強調し、紹介状を書く際は歯科で疾患の検討をつけたうえで、その疾患が歯科にどのような悪影響があるかを記載してほしいと語った。
すべてのプログラムが終了した後も参加者が演者へ熱心に質問する様子もみられ、盛況のうちに幕を閉じた。