2023年6月28日掲載
再根管治療で重要な「ガッタパーチャ除去」をテーマに
WHITE CROSS株式会社、山内隆守氏のWebセミナーを開催

山内氏はまず、初回の根管治療よりも再根管治療の件数が多いことを述べ、その要因として、補綴装置の作り替えによる“補綴学的問題”、側枝の感染などの“生物学的問題”、根管治療時に生じた穿孔などによる“医原性問題”の3つがあると話した。
次にガッタパーチャ(以下、GP)を除去するうえで、まずは根管上部形成が重要であると述べた。再根管治療が生じる1つの理由として、根管形成や根管洗浄ができていないことが挙げられ、根管上部形成を正確に行うことで根尖付近までアクセスが可能となり、GP除去が容易になると解説した。
また、山内氏は診断の重要性についても述べており、GP除去を行う前にCT像やデンタルX線写真で根管の状態(太さ、緊密度、穿孔の有無など)と病変の状態(病変の有無、大きさ、位置など)を確認し、自分のなかでイメージしたうえで治療を進めていくことで穿孔やレッジを防ぎ、正確なGP除去が可能になると述べた。
GP除去を行う際に用いる超音波チップ、手用除去器具などの特徴とともに、山内氏が実際に使用している器具を紹介した。次に根管解剖を理解することの重要性を説き、実際にGP除去を行っている動画を供覧した。
山内氏はセミナーの最後に、根管治療の目的はあくまで“細菌感染物の除去”であるため、GP除去を行う際には歯質の保存を考慮し、“GP除去”と“歯質保存”をつねに天秤にかける必要がある、とまとめた。なお、本セミナーは見逃し配信されており、2023年7月30日(日)まで視聴することが可能となっている。見逃し配信はこちらより。