学会|2025年7月1日掲載

「これからの歯科医療 ~多職種連携によるチーム歯科医療の確立~」をテーマに

第11回国際歯科医療安全機構学術大会・シンポジウム開催

第11回国際歯科医療安全機構学術大会・シンポジウム開催

 さる6月29日(日)、一般社団法人国際歯科医療安全機構第11回学術大会・シンポジウム(里見貴史大会長、瀬戸●(かん)一[●は日へんに完]理事長)が、日本歯科大学(東京都)を会場に現地およびWeb配信のハイブリッド形式にて開催された。

 最初に基調講演として、小林隆太郎氏(日本歯科大学附属病院病院長/同大学教授)が「命を守る『口腔健康管理』のチカラ」と題して講演。糖尿病や誤嚥性肺炎、認知症などの全身疾患と口の健康が強く関係していることが解明されてきていると紹介し、歯科は「歯を大切に」から、国民のトータルな健康に心を砕く「命を大切に」することを目指す時代に転換していることを強調した。医科との連携の大切さや、歯科における食育、広く国民に向けた歯科医院への定期受診の勧奨などの取り組みを提示しながら、「口腔健康管理」を推進することの重要性を訴えた。

 続いて招待講演として、和田康志氏(厚生労働省保険局医療課歯科医療官)が「歯科医療を取り巻く現状を踏まえた診療報酬改定での対応 ~多職種連携に着目して」と題して、社会や疾病構造の変化にともない、歯科においては従来の治療中心型から管理・連携型のニーズや重要性が高まるなか、周術期等口腔機能管理をはじめ、診療報酬改定のつど、その対応が行われてきたことを説明。今後の改定においても関連職種との連携をさらに進め、現場の課題に対応していく必要性を述べた。

 教育講演として、米山武義氏(静岡県開業)、菊谷 武氏、石垣佳希氏(ともに日本歯科大学教授)、石井良昌氏(日本大学松戸歯学部教授)の4氏が登壇。米山氏は、40年以上にわたる取り組みを振り返りながら、誤嚥性肺炎予防における口腔健康管理の意義と、その担い手として歯科医師と歯科衛生士の果たす役割の重要性を語った。菊谷氏は、現場での取り組みを交えながら、人生の最終段階まで「食べること」を支えるのは歯科の重要な使命であると強調した。石垣氏は、超高齢時代において何らかの疾患を抱える患者が増えているなかで、多職種連携にて有病者歯科医療に取り組む重要性を解説した。石井氏は、歯科医療と栄養管理・食事管理の重要性が高まるなかで、歯科医師も栄養管理にかかわることの意義を語った。

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