社会|2025年6月2日掲載

会員発表および中田光太郎氏、瀧野裕行氏らによる講演会が行われる

Women Dentists Club(WDC)総会2025 in Kyotoが開催

Women Dentists Club(WDC)総会2025 in Kyotoが開催

 さる5月31日(土)、6月1日(日)の両日、京都市勧業館 みやこめっせ(京都府)において、Women Dentists Club(WDC)2025 in Kyoto(吉村理恵会長)が開催され、全国から多数の会員が参集した。 

 初日の会員発表では、まずWDC西日本支部長の西村和美氏(山口県開業)による座長のもと、坂本紗有見氏(東京都開業)が「人を診る歯科医療」の演題で、MFT(口腔筋機能療法)を併用しながら矯正治療を行った前歯部開咬の症例を供覧。矯正歯科治療の最適化を目指すために、的確な検査・診断のうえで個別化した治療を行う必要があるとした。続いて、宗行 彩氏(兵庫県勤務)が「薬剤関連顎骨壊死MRONJ ムネユキペーパー2025」と題して講演。MRONJは感染性疾患がいちばんのリスク因子であるとし、治療の際はまずお薬手帳をチェックして投薬を見逃さないことが重要だとした。

 次に、WDC東日本支部長の成川史子氏(東京都開業)による座長のもと、別府優子氏(福岡県開業)が「歯髄温存療法におけるマイクロスコープの有用性」の演題でマイクロスコープを用いて歯髄温存療法を行った症例を動画で供覧し、歯髄の生死は歯の生死に直結しており、保存することは大きな意味があると強調した。そして、泥谷優佳氏(福岡県勤務)が「CAD/CAMインレー形成のコツ」と題してCAD/CAMインレー形成の仕方や不適切な窩洞形成についても解説し、「まずはCAD/CAMインレーのような保険治療をていねいに行うことで自身の治療経験を重ねていき、今後はセラミックインレーなどのより高度な治療ができるようにしていきたい」と述べた。最後に、WDC名誉会長の林 美穂氏(福岡県開業)、会長の吉村氏より各発表に対して総評が行われた。

 2日目は、講師に中田光太郎氏、瀧野裕行氏(ともに京都府開業)を迎え、「WDC特別講演 タッキー&コータロー スペシャルコラボ講演」と題した講演会が行われた。中田氏は前半に切開・縫合のコツや、自費診療への移行のために行っていることを説き、後半ではインプラント治療に焦点を当て、複数歯連続欠損部にインプラント埋入・硬組織造成を行った症例などを供覧した。瀧野氏は前半にチーム医療の必要性を強調して院内勉強会の定期的な開催や歯科衛生士の教育システムの構築方法を紹介、後半には抜歯・保存の診断において考慮すべき事項やインプラント周囲の軟組織マネジメントについて解説した。

 その後の特別企画では、中田氏、瀧野氏それぞれの開業時のエピソードやメンターとの出会いなどが語られ、さまざまな会に参加し経験を積み、継続することの大切さが感じられた。

 なお、次回の総会は、きたる2026年5月30日(土)、5月31日(日)の両日、東京都(会場未定)において開催予定である。

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