学会|2025年6月16日掲載
約80名が参集、企業展示も多数行われる
2025年度第1回日本臨床歯科学会名古屋支部学術大会が開催
さる6月15日(日)、ツドイコ名駅東カンファレンスセンター(愛知県)において、2025年度第1回日本臨床歯科学会名古屋支部学術大会(吉木雄一朗支部長)が開催され、約80名が参集した。会場では冒頭、吉木支部長の挨拶に続き、会員発表2題、教育講演として4題が行われた。以下に演者・演題を示す(敬称略、登壇順)。
【会員発表】
「Attempts for Full-Arch Prosthetic with IOS」横田 徹氏(歯科技工士・しばた歯科・可児おとなこども矯正歯科)
「ラミネートベニアの製作 ~天然歯形態の基本と応用~」北村 悠氏(歯科技工士・Citta eterna)
【教育講演】
「The Potential of Immediate Implant Placement in the Esthetic Zone」奥田浩規氏(兵庫県開業)
「日常臨床の修復治療を整理する」山岡義孝氏(北海道開業、日本臨床歯科学会北海道支部長)
「Advantages of Periodontal Microsurgery in the Esthetic Zone」中野忠彦氏(東京都開業)
「前歯部インプラント治療におけるエマージェンスプロファイルの考察」伊藤彰規氏(歯科技工士、伊藤企画)
会員発表の2題はいずれも気鋭の歯科技工士による発表。横田氏はインデックス模型とIOS双方の利点を最大限に活かしたフルアーチインプラントブリッジの精度向上法について示し、北村氏は天然歯形態への理解を基に、スクエア形態の上顎前歯を患者が望むオーボイド形態にラミネートベニアを用いて近づけた症例について解説した。
また教育講演では、全国で活躍する日本臨床歯科学会会員が各地から招聘され、登壇。奥田氏はインプラントの抜歯即時埋入について多数の文献および症例とともにその適応症や成功のための知識について示し、山岡氏はアドバンスな内容を学ぶことで逆に若手が混乱に陥りがちな修復治療の分類について、山﨑長郎氏(東京都開業、日本臨床歯科学会理事長)によるクラシフィケーションを用いつつ解説。複雑な症例を単純化させるための検査・診断を行うことや、はじめからインプラントの位置だけを考えるのではなく、欠損に至った理由を考察してから補綴設計を行うことの重要性を訴えた。また、中野氏はマイクロサージェリーによる創傷治癒の優位性などについて文献ベースで解説したうえで、標題のとおりペリオドンタルマイクロサージェリーの症例について5症例を供覧。矯正歯科治療後やインプラント治療に関連する歯肉退縮のリカバリーにすぐれた効果を発揮することを示した。
なお、伊藤氏は名古屋支部学術大会初の試みとして、別室にて開催された歯科技工士セッションに登壇。「QDT」2024年5・6月号に、本演題と同様のタイトルで上記の奥田氏と共同執筆した内容を軸に講演した。なお、会場では協賛企業からの展示も多数見られ、終始盛況となっていた。