社会|2025年6月23日掲載

義歯清掃や口腔カンジダ症対策について講演が行われる

周術期口腔機能管理Web Seminar開催

周術期口腔機能管理Web Seminar開催

 さる6月18日(水)、周術期口腔機能管理Web Seminar(株式会社ニッシン、久光製薬株式会社共催)が開催され、700名以上の医療従事者が視聴した。本セミナーは2部構成で、前畑 香氏(神奈川県開業)と濵田倫史氏(社会医療法人博愛会相良病院歯科口腔外科部長)がそれぞれ講演を行った。

 第1部では、前畑氏が「-医療現場におけるチーム医療で周知したい-義歯清掃をはじめとする正しい口腔ケアの知識」と題して講演。まず、義歯を取り巻く日本の現状を振り返ったうえで、高齢者の生活において義歯が不可欠であることを強調した。次に、本題の義歯清掃について、指導を受けた経験のある人が少ない点や、義歯清掃不良によって義歯の劣化や誤嚥性肺炎などの全身疾患につながる点について問題提起した。さらに、患者や介護者によって行われるセルフケアと、歯科医院で行われるプロフェッショナルケアの方法、注意点について、書籍『義歯のお手入れ説明カードBOOK』(クインテッセンス出版)の内容や症例、動画を交えて詳細に示した。本セミナーでは歯科以外の医療従事者も大勢参加していたことから、専門用語を一般用語に都度置き換えるなど、全体的に平易に説明がなされた。

 第2部では、濵田氏が「がん治療における口腔マネジメント~周術期口腔機能管理の実践と課題~」と題して講演。はじめに、がん治療において口腔有害事象が発生する背景について言及したうえで、がん治療を延期・中止する原因にもなりうるため、周術期口腔機能管理は支持療法としての意味合いが非常に大きいと述べた。また、今回は口腔有害事象のなかでも口腔カンジダ症に焦点を当て、臨床的分類をふまえたそれぞれの特徴について症例を供覧した。さらに、口腔カンジダ症対策の実践と課題として、ミコナゾール付着錠(オラビ錠)をはじめとする薬剤の選択や、治療抵抗性症例や口腔乾燥症例への対応についても詳説。いずれのケースにおいても、保湿を意識し、感染予防に留意し、より頻回に・早期に・定期的に介入することが重要であるとした。

 講演終了後には質疑応答の時間も設けられ、天然歯・義歯における歯磨剤の選択や、口腔カンジダ症における薬剤の選択の実際について、各演者がそれぞれ回答した。

関連する特集